リールにも古いのから新しいのまで多種多様、それぞれに人の想いがあって、トーナメント系のバサーなら最新鋭のリールだろうし、トップ系バサーなら旧ABUに代表されるオールドリールがスタンダードなのかな?と思う。管理人は左ハンドルのベイトリールなら新旧分け隔てなく使っている。最新鋭の左ハンドルベイトが発売されれば衝動買いもするし、その一方で、ちゃっかりオールドリールを何処から仕入れてたりもする。新型には新型の、旧型には旧型なりの良さがあるのだが、オールドリールついては人それぞれの、より一層複雑な思いが見え隠れているように感じる。それだけの歴史があるからね。

オールドリールの定義について考えてみたのだが、一般的にはこんな感じではないだろうか?

もちろん解釈は人それぞれなのだが、今回は国産オールドの方だ。国産オールドといって何を連想する?やはり一番は「シマノ・バンタム」か「スピードスプールBB-1」の様な気がする。それから「ダイワ・ファントム」やら「リョービの初代キャスプロ」、ひねくれた人なら「旧オリムピックのBX-21!」と言うかもしれない。だが、何かを忘れているぞ。そう、今回の課題項目、「ダイワの初代ミリオネア」だ。

このリールの評価は世間では低いと思う。熱心なオールドABUファンの言う「初代ミリオネアはABU5000Cの完全コピー」という意見や、シマノのBB-1やバンタムの存在が大きいと思う。ダイワのファーストモデル、ミリオネアVは実際に5000Cとパーツの互換性があるから完全コピーと言われても仕方がないし、一方のライバル企業、シマノのファーストモデルが完全オリジナルのBB-1だから、比較されると立場的に弱いよね。でも、ライギャーリールとして考えると、旧ABUと互換性のあることは逆にいいことだと思う。この世に存在する旧ABUパーツがそのまま流用できるのだから、なかなか面白いとは思わないだろうか?バンタム400だと、そんなワケにはいかないからね。あと、完全コピーなのはミリオネアVだけの話で、それ以降のモデルは内部構造が異なっており、ABUのコピーから脱却したオリジナルのリールになりつつあり、以降のファントムシリーズに繋がっていることも付け加えておこう。

話は変わるが、現行ミリオネアなのだが、これもどうだろうか?「ブラックシープ」や「スネークヘッドカスタム」なんてライギョ用モデルも存在するのに、使っている人をあまり釣り場で見かけない様な気がする。それとも管理人が人の多い釣り場で釣りをしないから、そう思うだけ?管理人自身も旧ABU5001Cを改造してPE10号を巻いて使ってるのだから、あまりゴチャゴチャと能書きたれる資格もない。でも、ようやくファイナルダムンに相応しいネタがそろったので、今回の企画、「ミリオネアの逆襲!」を実行しよう。

それじゃぁ、歴史に虐げられてきた悲運のリール、ミリオネアのラインナップを紹介するぞ

まずは1号機からだ

1号機
コイツは黒ミリだね

これは初代ミリオネアのファーストモデル、悪名高きミリオネアV(以下ミリV)だ。ミリVのVは「ブイ」じゃなくて「ファイブ」という意味だと思う。「ボルテスV」が「ファイブ」なのと同じだろう。「コン・バトラーV」は「ブイ」だよね。「ファイブ」だからABU5000番相当で、本当に5000Cのパクリと断言しても差し支えない。今をときめく釣り具の総合メーカー、ダイワ精工の歴史の恥部とは大げさか?・・・。ところで、5000番相当にしては幅が広く見えないだろうか?もうおわかりだとは思うが、これも「カムルチィチューンStage-2」仕様の改造を施してある。要するに、ABU6000Cのフレームとスプールを流用したワイドコンバージョン、PE10号仕様ってコトだね。この世代だと4000番相当の「ミリIV」や6000番相当の「ミリVI」はなかったはず。なので、別途ABU6000Cを仕入れてワイドコンバージョンにした。こんなことができるから管理人的には「完全パクリ」でも全然OKなのだ。旧ABUに対しての想いはそこまでない、左ハンドルは5001Cしか存在しないからね。実のところあまりコンディションがよくないので、実戦で使うのか迷っている・・・

お次は2号機ね

2号機
緑ミリの赤ベロぞ!

2号機もミリVのワイドコンバージョンなのだが、これは色違いで緑色だ。緑のミリオネアというと現行ミリオネアCV-Z103の限定バージョンを思い出すかもしれない。で、特記事項はもちろん赤ベロだ。ダイワのサムバータイプ、オートキャストはファントムマグサーボSS-10/15ACの登場を待たなければならず、初代ミリオネアの時代には存在しない。部品を組み替えるのもやっかいなので、今回は単純にジャンクの'77・6600C赤ベロの左右カップをミリVに交換しただけだ。なので、ミリV改というよりは6600C改というのが正解か?こちらはコンディションのいいミリVだったので、余ったパーツは1号機にコンバートしてもいいかなと思う。ただ、元々の6600Cがジャンクなので、これも実戦では疑問だが、そのうちどうにかしよう。ちなみにプッシュボタンの穴が残っているが、気にしないことにする。

プッシュボタンの穴
かまへんかまへん、死なへん死なへん・・・

それでは3号機だ

3号機
お次は茶ミリね

今度はミリオネア6Hというモデルで、ミリVの次に登場したのだと思う。このミリ6Hからは色々と違いがあってABU6000番流用ワイドコンバージョンができないのだが、6000番相当のモデルが正式にラインナップされているので、そんな必要性がないし、ミリ4Hなんてのも存在する。これはコンディションも結構よくて実戦でも問題ない、と言うか、2006年シーズンにテストで使っている。なので、ドラグはストライパーだし、ハンドルもベイヤードのを流用している。ベアリングに至っては、アンタレス純正に交換しており、完全な実戦仕様だ。6Hというからにはハイギヤモデルなのだが、構造的に旧ABUのハイギヤとは違ったアプローチなのだ。

ミリ6Hのピニオンギヤ
もしかして、いい感じかもね

ピニオンギヤなのだが、構造的には標準ギヤをそのまま歯数を少なくして小さくしているが、スプールシャフトと噛み合う部分の外側にはリングが入っている。これが何を意味するのかは「必殺パワー!」で実験したので結果は明らかだと思う。そう、補強の意味だね。実のところ、今のリールは旧ABUのハイギヤみたく、スプールシャフトに打ち込んだピンで噛み合わせる方式なので、そういった視点から見れば旧ABUのハイギヤが正解というのが結論なのだが、スピードシャフトになる以前のダイワリールはこの構造が基本なので、このミリ6HがABUのコピーから脱却、さらにファントム系に繋がるというのはこういった部分からも明らかだと思う。ダイワも「必殺パワー!」でピニオンを壊したんだろうね。
もう1点だけ紹介しておくが、

ミリ6Hのフット
これはフットね

フットなのだが、ABUやミリVだとロウ付け?それとも溶接?ちょっとよくわからないが、ミリ6Hの場合はカシメでフットを固定している。あと、フット自体はステンレスでできている様だ。恐らく、ミリVでフットが外れるトラブルがあったからこんなことをしたのだと思う。アルミワンピースフレームじゃないABUだと、ソルト用の6501Cハイスピードウインチプラスはカシメだが、現行ABUは今でも溶接だからね。あと、このクラスのリールは海外だとソルトでの使用がメインになることも付け加えておく。マスキーなんてのも狙うのだろうが・・・

さて、最後は4号機だ

TD LUNA 300L
ぎゃははは、またやったぞ、逆輸入!

いよいよファイナルダムンに登場、左ハンドルの現行ミリオネア300番、TD LUNA 300Lだ。2007年のフィッシングショーでも左ハンドルの300番はなかったみたいなので、今のところ、日本で唯一、左ハンドルの現行ミリオネア300番、ということでいいだろう。これについては特記事項はない。みんなもよく知ってるはずだし、管理人はあまり知らないからね。

それでは全員集合といこうではないか

集合写真
上等だ、かかってこい!
って誰に言うてるねん・・・

さて、これからは「ミリオネアの逆襲!Season2」と銘打って改造やら実釣やら色々と楽しみたいと思うのだが、重大な問題がある。それは、「TD LUNA 300L以外は全部右ハンドル!」なのだ。恐らく管理人では使いこなすことができないだろう。なんてったって「永遠の左ハンドルベイト使い」だからね。本来なら「Sweet emotion」で取り上げるべきではないだろうし。あと、これ以外にも使うべきリールが多数あるので何を使おうかな?という、ちょっと贅沢な悩みもある。例えば旧ABUシャフトレスとか・・・

右ハンドルベイト使い諸君、ミリオネアをもっと見直そうぜ!永遠の左ハンドルベイト使いでもやるんだから(2007/3/4更新)

ミリオネアの逆襲・番外編だ!(2007/7/19追加)

ミリオネアの逆襲Season2・ミリVって旧ABUスプール流用できるのん??はいかが?(2008/9/22追加)

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