トップページにおいて管理人は「今更ABU6000番台やカッタ400でもあるまい」と述べているが、この意見についても左ハンドルベイトと大いに関係がある。 まず、カルカッタ400には左ハンドルは存在しないのは周知の通りだ。Newカルカッタにも401はラインナップされておらず、非常に残念。輸出仕様でも同様だ。一方のABUだが、これは複雑な思いがある。アンバサダーにはいわゆるオールドABUというのが存在するが、コイツが話をややこしくさせている張本人だ。 左ハンドルでオールドABUと言えば管理人も愛用している5001Cのみで、ライギャーリールのメインストリームたる6000番台は存在しないのだ。一時期、オールドスタイルの6001Cもラインナップされていたが、あれは管理人も保有している'86・5001Cをベースにしたモデルなのだが、ヤフオクなんかでたまに出品されているとその珍しさから結構な高値で取引されている。また、オールドABUに対する根強い人気や思い入れについては管理人も理解できる。実際に自分も使っているのだから。 そんなこんなで「今更6501Cを使ってもなぁ・・・」という気持ちが強くあった。もちろん食わず嫌いはできないタチなので実際に6501Cを使ってみての感想でもある。
一方、オールドだけでない、ABUの魅力というか長所についても理解しているつもりだ。まず、構造が単純なだけにメンテナンスがしやすい。アンタレスなんかを分解整備しようとすると殺意さえ覚えてしまうのだ。そのことを思うとアンバサダーって優しいよね。あと、外装パーツの互換性が結構あるので、オリジナルのリールが作れたりする。ここでもやはり思い入れって結構重要だったりする。
今回も前フリが長くなったが、実際に'81・5001Cをベースにいじくってみた。
参考として'80・5001Cと並べてみる
カップの形でわかると思うが、左が'80で右が'81だ
見ての通り、もはや5001Cというディジグネイションではなくなってしまった。名付けて「5001C改・カムルチィチューンStage-2」。管理人と長年ともにしてきた相棒に、最期の死に処を与えるべくPE10号のスタイルに対応させた。この改造の意味合いはもちろんオールドABUの構成をできるだけ保ちながらPE10号を80m巻ける左ハンドルベイトを作り出すことにあった。あるモノは使え、ないモノは作るのだと。2006年は、実験以外の釣行ではできるだけメインとして使っていきたい気持ちでいっぱいだ。初期衝動を思い出させるためにもね。
では、実際の工程を紹介する。
用意する物から
本物かバッタ物かは分からないが、とりあえずオールド用だ
最新の'05・6501C3だとフレームはクロムメッキに近い処理なのでなんとかいけそう
'05・Recordだと完全にクロムメッキだ
ギヤのネジレ角が左ハンドル用なのだ
実作業を以下に述べる。といっても、ただのポン付けなのでどうでもいい気がするが・・・
まずは左サイドプレートを分解する。ハイギヤを組まないのならこの作業はもちろん不要だ
こういった作業はシンプルなABUだと余裕だね
左がノーマルギヤで右がハイギヤ
ギヤ比はノーマルが59:17で3.47:1、ハイギヤは70:15で4.667:1だ
20年来のグリスはきれいさっぱり洗い流して新しいグリスを塗布
組むときはクラッチを切って、ピニオンギヤを先に取り付けるのが吉
そのあと、ドライブギヤを取り付けよう
ただ、グリスの塗りすぎには注意したい
ハイギヤを組まない場合はここから
まずは右カップを6501Cフレームに取り付ける
6000Cスプールと5001Cスプールの比較、まあ一目瞭然だ
あとはスプールと組み立てた左カップをフレームに取り付ければOK
ハイギヤを組んでいるので、ついでに赤ハイシールも貼っておいた
本来なら下ではなく上に貼り付けると思うが、EFマークがあるので・・・
これで完成。完全ボルトオンだから工程をわざわざアップする必要性すら感じさせないほどに単純だ。先に完成した2ピースロッドに取り付けしてみた。
やはり、EVAグリップよりコルクの方が似合うだろう
ついでに'80・5001Cでも組んでみよう。
オールドの雰囲気は山型プレートの方が感じが出ていると思う
スネイクバイトとストライパーなしだと、いかにもって感じの力強さがない
気付点をいくつか
最後に「完全オールドの6001Cを目指すなら」という課題で、妄想になるがやり方だけは説明しておくので誰か実現してほしい。
これぞ混じりっけのない完全オールドの6001Cだろう。気ィ狂ってるとしか思えんが・・・
オールドABUとライギョに強いショップがチョボなしクロムメッキの6001Cフレームを販売してくれればいいのだが。というワケでハネクラさんに5001Cワイドコンバージョンキットの販売を希望したい。(2006/4/16更新)