「あーあ、とうとう落としてしもたなぁ・・・」

「えっ?、落とす、って?・・・」

「マンガの連載モノで締め切りに間に合わんかった、ってヤツ」

「あっ、そうそう、『月刊?ダムン??』の5月号、もう6月になっちゃったんだねっ・・・」

「ごめん、ついにやってしもた・・・」

「でもねっ、『月刊?ダムン??』って不定期更新って言ってたじゃんっ」

「・・・ウチ、そんなこと言うたっけ?」

「去年に言ってたよ〜っ、だから、タイトルも変えてたし、・・・あんまり気にしなくったってもいいんじゃないのっ?」

「あー!そんなこと言うたらあかんー!!」

「・・・」

「ウチ・・・」

「Gamくん・・・」

「なに?」

「やっぱ、マジメなんだねっ」

「なんで?」

「Gamくん、誰も気にしてないよっ♪」

「・・・いや、これはウチ自身の問題やんけ」

「そんなに深く考えなくっていいのにねっ、・・・それより『月刊?ダムン??』、早くしようよっ」

「そうやな・・・、ここ何ヶ月かは乗り物ネタやら仕事ネタで誤魔化してきたけど、落としてしもた5月号は久しぶりにサカナ釣りネタに戻すぞ」

「え〜っと、一番最後にサカナ釣りのお話しをしたのって、いつだっけ?」

「・・・『スピンストーム』のまとめを去年の7月号でやったけど、それ以来と違うかな?」

「それ以降って、お話しの中でちょっとコメントした程度だったねっ・・・、でねっ、5月号は何するのっ?」

「実はライギョ釣りの話しじゃないねんけど、これ、見てくれる?」

Lighting Strikes
構想してから完成まで2年かかったわ
そんなにかかっちゃうって、いつもみたいに放置してたんだっ?

「コレっ、去年だっけ・・・、Gamくん、作ってたよねっ」

「そう、グリップパイプに64チタンを投入した『世界初やぞ、64チタン穴あきグリップパイプ採用テネシーハンドル!!』やな」

「じゃぁ、ようやく完成したんだねっ」

「結局、ウルトラライトのルアーロッドじゃなくって『史上最低、超変態イカダ竿』になったけど」

「そうそう、・・・去年に『アンタレスAR』を改造した時に予告してたっけ」

「うん、今のところウチが手をつけたリールチューンとしては『アンタレスAR・チヌ』最後になってるなぁ」

「リールチューンのネタがない、みたいなっ・・・」

「いや、いつも通りの放置プレイ、『何から手ェつけていいかわからん状態』やもん」

「確か、『アンタレスAR』の時って、Gamくんがビルドする竿だから、・・・超変態コンセプトの集合体になる、って言ってたじゃんっ、やっぱ、そうなったのっ?」

「あり得んくらいめっちゃ変態やぞ」

「はははっ、そうなんだ〜っ、・・・って感心してる場合じゃないよねっ」

「なんで?」

「だって、今までのライギョ竿だったら、ミキ、何となくわかるんだけど、Gamくんってチヌ釣りってしないでしょっ、どうしてそんな竿作っちゃうのかな、って・・・」

「それ、クロスオーバーやな」

「???」

「平たく言えば、同じことばっかりやってたら面白くなくなるから」

「じゃぁ、飽きちゃった、ってコトっ?」

「うーん・・・、1/3くらいはそれで正解、1/3はウチの持ってるロッドビルドテクノロジーを投入したら他の竿でどれだけの竿が組めるか、ってのに挑戦した、ライギョ竿で残してるのはマルチピースパックロッドと振り出し竿、あとはバンブーくらいしかネタがない」

「・・・」

「ライギョ竿ってテクノロジーを投入するには不向きな対象やと思う、極論やけど硬い竿を組んだらどうにかなるもん、でも、柔らかい竿ってウチには難しいし縁がなかったから、今回はロッドビルダーの技術的興味としてそれに挑戦してみたんやね」

「じゃぁ、残りの1/3って?」

「それは簡単、実際にチヌ釣りするねん」

「それじゃぁ、ライギョ釣りってしばらくは・・・」

「そうやなぁ・・・、カムルチィ狙いはちょっと減ることになるわ、ウチもええ年やけどいろんなことに挑戦してみたい、ってのは昔から変わらんのやな、で、いろんなことやってみると引き出しが増えるからそれが狙いやねん」

「引き出しって?」

「結局最初に言うたクロスオーバー、ってことやねんけど、いろんなことに手ェ出すと知識と経験としていろんなのを取り入れることができるやんね?」

「・・・」

「引き出し、ってのはそういう意味、ただ、引き出しの中身をどれだけ充実させることができるか、これは本人のセンスやと思う」

「う〜んっと・・・、でもねっ、それって、いつもみたいに収拾がつかなくなる、ってコトになっちゃいそうな気がするよっ」

「ははは、さすがミキちゃんやね、それ、正解やわ」

「Gamくん、笑ってる場合じゃないよ〜っ」

「ちゅーか、そーゆーのん理解してくれてるだけでウチはめっちゃ嬉しいよ、そしたら本題、元々ウチのアタマの中にあったイカダ竿って、竹で組んでて漆を塗ったりしてる竿、ってイメージやねんな、言うたら六角バンブーが西洋の伝統工芸なら竹竿って東洋の伝統工芸、そんな感じかな?」

「うんっ、それならわかるよっ」

「その次にグラスの竿で竹竿と同じ様な雰囲気を醸し出してるのんとかもあるわ、こんな感じで・・・

青波功
これはシマノのグラスの竿な
竹じゃないんだねっ

で、最近はテクノロジーの進化、って言えばいいのかな?、ルアーロッドのエッセンスを取り入れた竿が増えてきてるみたいやねん」

「ふ〜んっ・・・」

「そしたらこれ、見てくれる?

がまちぬ
尻手輪は無視してくれる?
バットエンドの輪っかだねっ

これはがまかつのイカダ竿やねんけど、グリップ周りがどことなくルアーロッドみたいな雰囲気ってせーへん?」

「う〜んっ、そう言われればそうだね〜っ」

「がまかつやから『ラグゼ風味』って言えんこともないやんか、こんな感じでフジの『VSS』って新型のパイプシートを採用してみたりするねんな」

「こんなのって、がまかつだけっ?」

「いや、シマノは昔ながらのプレートシートやねんけど、ダイワは現代風の竿を売ってるわ・・・

ブラックレディ
チヌチェイサーが泣かせる、本気になったら「スティーズチヌ」とか作れるやろ・・・
それって?

ほら、リールと穂先を無視すれば『スティーズ風味』とは言わんけどバスロッドにしか見えんやんか、これって」

「ホントだ〜っ、・・・それにねっ、上の竿ってトリガーシートなんだね〜っ」

「イカダ竿でのトリガーシートの是非はここでは述べん、ちゅーか、ウチがトリガー嫌いなん知ってるやん」

「やっぱ、必要ないっ?」

「いや、せやから・・・、話し戻すけど、極めつけはこれやねんな・・・

アスリート
黒房クオリティ、って感じやなぁ・・・
わかんないっ

これはアルミグリップやから『ヴァガボンド風味』って言えばいいのかな?、『黒鯛工房』ってチヌ釣り専業メーカーさんのハイエンドクラス、『アスリート』って竿やねん」

「『ばかぼんど』っ?・・・」

「ミキ、おまえなに言うてんねん」

「どうしてっ?」

「マンガと違う、正解は『ヴァガボンド』、これの『ガ』の濁音抜いたらアタマ悪い接着剤やんけ・・・」

「あっ、そんなコト、言ったっけ・・・」

「まぁええわ、そしたら『ヴァガボンド』の『アクションロッド』もアップしとくか・・・」

ヴァガボンド
まぁ、「ライギョのカタチしたルアーでバス釣る」なんて発想はウチに言わすと濁音抜きしてもいい、腹立ってしゃーないわ・・・
ふ〜んっ・・・

「結構、どっちも似てるんだねっ」

「両方ともアルミの削り出しやから同じ様なデザインになるのはある程度仕方がないのかな?、ちなみに『アクションロッド』のアルミグリップの材質は『A6061 T6』やねんけど、これを『ジュラルミン』とか『超ジュラルミン』って謳ってるけど、それは間違いで耐蝕アルミ合金が正解、こんなん材料屋さんに言わせると濁音抜き確定やわ」

「そうなんだっ」

「うん、ジュラは『A2017』で超ジュラが『A2024』が正解やからな・・・、そしたら『アスリート』の話しに戻すけど、ウチらで言うと、そうやなぁ・・・、『サーペントライジング』とかあの辺のハイエンドクラスのライギョ竿を連想してくれたらいいわ、要するにチヌ師が気合い入れて買う竿やねんね」

「じゃぁ、値段も結構しちゃわないっ?」

「『サーペントライジング』や『アクションロッド』に諭吉1枚から2枚を追加かな?、定価やけど6万の後半から7万以上するぞ」

「それっ、定価だけど・・・、すっごく高いんだねっ」

「でも、需要はあるんやろね、ライギョマンよりもチヌ師の方がハイソなんか?」

「ぷぷっ」

「価格設定に世の中の構造が見て取れるよ、・・・まぁ、こんな感じで従来からのイカダ竿のスタイルから脱却した竿が増えてる、これはイカダ竿だけじゃなくって船竿にも言えるよ、ルアーロッド風味の方がカッコええ、って風潮なんかなってウチは思う」

「・・・でねっ、Gamくんが今回作った竿なんだけど、これも『ルアーロッド風味』ってコトでいいのかなっ?」

「うん、ウチは元々ルアーロッドビルダーやんね、そのロッドビルダーが考えたイカダ竿はこんなんになるって回答、ただ、それはフツーの一般的なビルダーさんじゃなくって変態の呼称を自他共に許す人間のやることやから、やっぱり『史上最低、超変態イカダ竿』やねんな、ただ、見た目は微妙、味も素っ気もない64チタンのパイプやから・・・」

「Gamくん、『この世にはあり得ん』って言ってたもんねっ」

「そうやな、そしたら『史上最低、超変態イカダ竿』がマジで『この世にはあり得ん』のか紹介するわ」

  1. チタン合金穴あきグリップパイプ採用テネシーハンドル
  2. ブランク非貫通グリップ
  3. テーパー加工超弾性ニッケルチタン合金穂先
  4. チタン合金線補強グラスソリッド
  5. チタン合金極細ワイヤーガイド
  6. 金属穂先部のワイヤーガイドはダブルフット&ダブルラップ&数を減らした
  7. チタン合金フェルール
  8. 元竿はグラス&ボロンブランク
  9. 上下兼用ガイドレイアウト
  10. 徹底してないけど重量軽減

「・・・」

「ミキ、どうした?」

「ううん・・・、なんか、コレを見るとチタン合金をすっごく使ってるねっ」

「そらそうや、ウチ、チタン大好きの『金属材料フェチ』やもん」

「でもっ、Gamくん的にはちゃんとした使い分け、ってコトだったよねっ」

「そう、だから今回は純チタンじゃなくってチタン合金を思いっきり使いまくったったんやけどな・・・、まぁ、色々並べたくったけど、ここまでアホみたいなテクノロジーをつぎ込んだ竿ってルアーロッドでもあり得ん、『気違いイカダ竿』の方が正解な気がするよ」

「Gamくん、その言い方って・・・」

「・・・あかんか?」

「それっ、よくないよ〜っ」

「ははは・・・、そうかもな、IMEでちゃんと変換できへんから次からはやめとく、そしたらセールスポイントを一つ一つ見ていく、いや、その前に名前から紹介するわ・・・」

ライトニングストライクス
「ダムン ファイナル エクスプロージョン」、意味が通じんぞ(笑)
???

「『DF-X 009 Lighting Strikes』って・・・、いつもみたいに飛行機の名前なんだっ?」

「ウチ的にはチヌ釣り関連は『DF-X』ってコードネームになった」

「それっ、どんな意味があるのっ?」

「MDプリンタでネーム入れしてるやん、『Damn Final eXplosion』って」

「『でぃ〜』と『えふ』はファイナルダムンを逆さにしたんだっ、・・・最後の『えくすぷろ〜じょん』ってどんな意味かなっ?」

「『エクスプロージョン』は『炸裂』って意味やけど、そこまで気にせんでいいよ、最後を『エックス』にしたかったから採用しただけで、別に『エクスパンジョン』でも『エクストリーム』でもなんでもいい、ファイナルダムンの『エックス』にしたいだけやねん」

「じゃぁ、次の『009』って?」

「これは簡単、西暦の下三桁やな・・・、ウチの好きな皇紀やと『六六九』、でもライギョ竿みたいに漢字の名前じゃないから西暦にした、この『DF-X009』が開発コードになるわ」

「最後っ、『らいとにんぐ すとらいくす』だけどっ・・・」

「意味は『落雷』、でも、Web翻訳に掛けると『雷撃』って訳になるぞ」

「あっ、ライギョの『雷』なんだねっ」

「そういうことやな」

「それじゃぁ、飛行機の名前じゃないっ・・・」

「いや、厳密に言うと『ロッキードP38 ライトニング』とか『イングリッシュ・エレクトリック ライトニング』、それに『ロッキード・マーチンF-35 ライトニングII』って戦闘機があるよ、まぁ、今回に関しては航空機は念頭には置いてないなぁ・・・、そしたら、セールスポイント、いってみよか?」

「うんっ、・・・一つめの『チタン合金穴あきグリップパイプ採用テネシーハンドル』は前に紹介してるねっ」

「繰り返しになるけど、『感度編』『月刊ダムン!』の2008年3月号を見てくれたらわかると思う、一応、ウチの『超変態振動理論』に基づいてるわ」

「そうそう、グリップ周りの金属材料はチタンかアルミがよくって、強さと錆を考えるとチタン合金、ってコトだよねっ」

「それで正解、淡水じゃなくってソルトやからな、そしたら次の『ブランク非貫通グリップ』やねんけど、具体的構造はこんなん・・・」

非貫通グリップ
ここも削って軽くしてるんだねっ
スライドリング以外はチタンで非徹底的軽量化、やな

「フツーの竿はブランクがグリップを貫通してるんだもんねっ」

「うん、それが当たり前やねんな、でも、なんでこんな構造にしたのか、ってことやねんけど、これも『超変態振動理論』に基づいてる」

「えっ?あれってそこまでのお話しじゃなかったと思うんだけど・・・」

「貫通式にすると振動がグリップパイプとブランクに分散されるねんな、でも、非貫通にすることによって振動が分散されずにグリップパイプのみに伝達されるんやね」

「へ〜っ、そうなんだ〜っ」

「昔からブランクそのものをダイレクトに握る『直感グリップ』ってあるけど、振動伝達を考慮すれば理想やと思う、ただ、現時点でそのは形式のブランクが入手できへんのやね、で、金属グリップを採用する場合はこれが理想・・・、いや、極限のカタチになると思う、『バンタムグラファイト』とか『レスターファイン』の冷間鍛造ハンドルやら、ムクから削りだした『アクションロッド』や『アスリート』に比べて軽くなるもん」

「うんっ、軽い方が感度はいいんだもんねっ」

「ただ、非貫通構造はブランクの付け根とグリップパイプに負荷がかかるから現状では柔らかい竿限定、バスロッドクラスになると見直す必要があるし、ライギョ竿で非貫通はもちろん非採用なのは言うまでもない」

「ブランクが折れちゃう、みたいなっ・・・」

「イカダ竿はグラスブランクを使うけど感度が要求されるバスロッドはそうじゃない、間違いなく高弾性カーボンやからな、それに負荷を考えるとパイプの寸法を見直すことになるから軽量、ってメリットがなくなるような気がする」

「寸法をおっきくしちゃうんだっ」

「そうなると思う、あと、振動伝達については『アクションロッド』のアルミグリップが独自の理論に基づいてるよ、詳しくはこれとかこっち見てくれる?」

「え〜っと・・・」

・・・・・・

「Gamくん、なんか、難しそうだねっ・・・」

「理解できるか?」

「ちょっと・・・」

「これは反射波の有効活用って雰囲気と違うかな?『アクションロッド』はリールシートの部分はフローティングさせてブランクからの振動を直接伝えてない、バットエンドからの反射波を増幅させてる様な気が・・・」

「ふ〜んっ・・・」

「ウチの64チタンパイプはブランクからの振動を分散させずにダイレクトに伝える構造で、反射波については不要やから吸収させる、って考えでエンドキャップはEVAを仕込んでる、最初はゴムキャップやってんけど、重量軽減目的でEVAに変えたねんな、実際に反射と吸収のどっちがいいかはやっぱり測定せんとわからんねんけど、反射させるなら純チタンでエンドキャップ作るし、エンドキャップ無しにすればマイナスの反射波が発生することになると思う」

「それっ、わかんないよっ・・・」

「振動ってホンマはウチが言うみたいな単純じゃないねん、反射波の正負やら共振周波数とか色々考慮する必要があって本来は測定器が必要やけどウチにはそんな設備ないからムリな話し、で、反射波ってメインの振動を打ち消す方向に働くのか増幅させる方向に作用するのかわからんのやね、それはメインと反射で位相・・・、タイミングが微妙にずれるからで、『アクションロッド』の構造は反射波を伝える、って考えやからそれは成立するけど、ウチの場合は不確定要素になるから吸収させることにしたねんな」

「・・・」

「まぁ、ややこしいことは抜きにして、軽量低減衰率の64チタンパイプに分散されずに伝わる振動をダイレクトに触れる構造、ってのがわかりやすくていいと思う、そしたら次行こうか」

「うんっ、・・・次の『テーパー加工超弾性ニッケルチタン合金穂先』だけど、コレはダイワの竿が採用してるんだよねっ」

「『超弾性チタン合金穂先』な、ウチの推測ではあれはチタン合金じゃなくってニッケルチタン合金やと思ってる、ってのも『感度編』でコメントしてるやんね」

「え〜っと・・・、ニッケルチタン合金ってチタンよりも振動を吸収しちゃいやすいんだったねっ」

「実際の組成はニッケルとチタンが半分半分くらいやねんな、それをチタン合金とは言わんと思うし・・・、いや、こっちの説明するわ、イカダ竿の特徴は繊細な穂先にある、具体的寸法としては細い竿やと直径0.3ミリとかそんなん、ただ、グラスのソリッドでもそこまで細い場合は糸を巻き込みすぎたりとか、なんかの拍子に折れやすいんやね、それで超弾性金属の穂先を採用したのがダイワ精工やねんな」

「Gamくんの竿もそんな考えなんだっ」

「うん、この手の合金は永久変形するけど折れへんから、不測の事態があっても釣りそのものは継続できるよ」

「じゃぁ、永久変形ってコトは、曲がっちゃうんだねっ」

「これ、見てくれたらわかるわ、ちゅーか画像はでアップするのはムリやけど・・・」

「そうだねっ、ちょっと曲がってるねっ」

「ガイドの取り付けやらベンディングテストやらやってたら曲がってしもたんやね、でも、この程度やと実用上は問題ないと思う、で、ウチの場合はテーパー加工ってのがミソで、穂先の自然な曲がりを追求すると直線よりもテーパーの方がいい、って考えやねん」

「じゃぁ、ダイワの竿はテーパーじゃない、ってコトでいいのかなっ」

「ダイワのイカダ竿の金属穂先はストレートじゃなかったっけ?、ただ、ニッケルチタン合金の加工性は最悪に悪いから大量生産の場合はそんな加工してられへんと思うねん」

「それじゃぁ、Gamくんはどうやって加工したのっ?」

「オモチャ旋盤を最高回転数でブン回してサンドペーパーで削った、電動ドリルやミシンモーター回すのはどうかなぁ・・・、ウチの旋盤でも長さ15センチの線材をテーパー加工するのに2時間以上かかるねんからな」

「ふ〜んっ、そんなに時間、掛かっちゃうんだっ・・・」

「常識的に量産品でそんなんやってられへんやん、だからやと思うで、で、ストレートとテーパーの曲がりについてやけど、ストレートは超スローテーパーの竿を想像してくれたらいい、要するに負荷の大小にかかわらず曲がる場所は根元から、そして負荷の大きさによって曲がる量のみが変化するやんね」

「テーパーだとフツーの竿と一緒だからっ・・・」

「うん、負荷の大小によって曲がる場所が変わるわ、軽負荷の場合は先で曲がるし、大きくなるにつれて根元が曲がるやん」

「あっ、そうだねっ」

「ただ、テーパーデザインについては再考の余地があると思う、ちゅーか、ウチ、そんなもん知らんからな」

「はははっ、やっぱ、それってすっごく変だよ〜っ」

「ええねんって、試作品やし・・・、そしたら次の『チタン合金線補強グラスソリッド』やねんけど、金属穂先でもそれ以外の部分、・・・ティップセクションはグラスソリッドにするねんけど、ただ単純にグラスソリッドのままではありきたりすぎて全然面白くないからちょっとヒネってみた」

ソリッド
この細い線が見えるかなっ?
ミキの髪の毛より細いなぁ
 

「Gamくん、コレってどうやったのっ?」

「鮎釣り用のメタルラインを巻いて一液性のコーティングで止めた、適当に巻いただけやからそんなに難しくないぞ」

「・・・コレって何か意味があるのっ?そのっ、面白くない、とかじゃなくって・・・」

「ウチは純粋な技術論だけじゃなくて、面白い面白くない、ってのも判断材料になるけどなぁ・・・」

「じゃぁ、ただ単純にそれだけ・・・」

「ソリッドのブランクってチューブラーと違って縦方向、長手方向にしか繊維がないねんな、これが何を意味するかわかる?」

「・・・」

「ブランクの曲げじゃなくってねじれ方向の力は繊維ってあんまり仕事をしてない、ねじれ方向の力は美味しくないねんけど、金属線を巻くことによってねじれ方向の力にも対応できるように考えたんやね、あと、斜め方向に巻いてるから曲げにも対応できるわ」

「う〜んっ・・・」

「難しい?」

「ちょっと・・・」

「ミキ、ごめん・・・、単純に補強ってことでいいよ、ただ、技術的にはさっきの説明通りやねん」

「じゃぁ、実際の効果、みたいなのって?」

「曲げについては体感的に硬くなってると感じた、これはベンディングテストで比較してないから具体的な数値は挙げられへん、で、肝心なねじれ方向に関してはわからん、ソリッドって故意にねじるモノじゃないと思うから・・・、まぁ、『ヤング率』の低いチタン合金線じゃなくってタングステン線にしたらもっと効果がはっきりすると思う」

「曲がりにくくなる、ってコトでいいのっ?」

「そう、タングステンの『ヤング率』はチタンの3倍あるからな、あとはチタン合金線の追加で振動伝達能力が改善されたらいいなぁ、って希望的憶測があるわ、わずかでもな」

「感度、重要なんだねっ」

「ちょっとだけやけどな・・・、それ以外やと『タングステン強化バンブーロッド』とかも面白そうな気がするわ、そしたら次、『チタン合金極細ワイヤーガイド』はしつこいコメントをする必要はないと思う」

「うんっ、軽いガイドの方がいいんだもんねっ」

「実際のイカダ竿で使うワイヤーガイドって0.3ミリ径のステン線やねんけど、ウチは0.2ミリ径のチタン合金線を採用してるよ、そしたら次行こ・・・」

「『金属穂先部のワイヤーガイドはダブルフット&ダブルラップ&数を減らした』って、・・・ダブルラップって、ライギョ竿とかに使ってたんじゃないのっ?」

「ウチは変態ライギャーやからこうなるわ」

「またっ、わかんないよっ・・・」

「これはガイド固定強度の問題で、現状ではいい方法が思い浮かばんのやな、グラスソリッドの部分はいいけど極細の金属穂先やからフツーのガイドラップができへん、思いっきり力を加えて巻かれへんのやね」

「あっ、そう言われればっ」

「ウチ、ガイドラップは思いっきり巻くのが基本のヒトやから接着剤で固定してしまうのは違和感がある、仮止めでアロンアルファ使う程度やからな、できるだけ外れん様な構造、ってのを考えるとウチの場合はダブルフットになってしまうねんなぁ・・・」

「じゃぁ、ダブルラップって?」

「結局、途中のガイドは完全に固定できてないねん、振り出しの誘導ガイドみたいに回るわ、ほら・・・」

半固定式ガイド
トップと次の次があさっての方向に向いてるやんね
やっぱ、変だよっ

「でもっ、そんなのでいいのっ?」

「トップガイド以外はこれでも成立するよ、シングルラップにするとガイドの足と金属穂先が直接触れてるから回す気にならんのやけど、ダブルラップは下巻きするやんか、だから、下巻きごと回ってるから構造的には問題ないと思う」

「それじゃぁ、トップガイドって・・・」

「トップガイドはダブルフットにできへんから、もちろん完全に固定する必要があるやんね、今回はUV硬化樹脂とアロンアルファの複合技を採用してみたけど正直言うとわからんなぁ・・・」

「改善の余地がある、みたいな感じだねっ」

「そう、また考えとく」

「あとっ、数を減らしてる、ってコトだけど、これはどうしてなのっ?」

「まずは穂先のガイドレイアウト見てくれる?」

ガイドレイアウト
見にくいよねっ・・・
うーん・・・、難しいねんなぁ

「なんか、すっごく変っ・・・」

「どう考えてもおかしいやんね、ティップが狭くてだんだん間隔を広げるのがフツーやんか」

「そうだよっ、でもっ、Gamくんの竿って・・・」

「そしたら次、負荷が掛かった場合やねんけど・・・」

ソルティガ
これはソルティガ-Z30L、垂直リフト445グラム、って感じで
実際にサカナが掛かるとそれくらいになるのかなっ?

「う〜んっ、どうなのかなっ・・・」

「負荷が掛かるとこんな感じで穂先の部分って曲がらんと真っ直ぐになるやんか、そうなった場合は通常のガイドレイアウトって数が多すぎる、だから、曲がる部分にはガイドはもちろん必要やけど、曲がりを通り越して真っ直ぐになる部分にはガイドは不要、ってのが今回のレイアウトで『変態ガイドコンセプト』のイカダ竿バージョンになるわ」

「Gamくんの言ってるコト、何となくわかるんだけど、ホントにコレでいいの、って気がする・・・」

「それは当たり前、そんなもんウチがわかるワケないっちゅーねん、超弩級の素人が適当にビルドした竿やからな、・・・まぁ、ガイドを少なくするのはガイドを軽くするのと似たような効果をもたらす、ってことにするわ」

「じゃぁ、デメリット、みたいなのって何かありそうっ?」

「ガイドが少ないとガイド間での糸フケが増えるけど、これがどうなるか・・・」

「実際に使ってみないとわからなさそうだねっ」

「まぁ、そんなところやな、そしたら次は『チタン合金フェルール』やな」

64チタンフェルール
Gamくん、ちょっとメス側の仕上げ、変だよっ・・・
ウチはヘタレ・・・

「ミキ、コレはわかるよっ、軽くて強くて錆びないからチタン合金にしたんだねっ」

「そうやねんけど、ただ、グラスのイカダ竿って金属フェルールじゃなくってフツーの並継ぎになってる」

「じゃぁ、また意味があるっ・・・」

「表向きは元竿の内径が小さくて並継ぎにするとかなり細いソリッドを使わんと元竿に突っ込めん、そうなるとティップセクションとバットセクションのパワーバランスが取れなさそう、って思った」

「・・・」

「で、実際の意図はチタン合金フェルールの試作を兼ねてる、『バンブーカムルチィ』で金属フェルールの材質を色々検討したけど覚えてる?」

「・・・そうそう、あの時って、チタンは摩擦に弱い、ってコトでベリリウム銅にしたんだったよねっ」

「そういうことやな、それで実際にチタン合金、64チタンでフェルール削ってみた結果やねんけど、チタンはやっぱり摩擦に弱い、って評価になるわ」

「じゃぁ、すぐにすり減っちゃうんだっ?」

「摺り合わせの話しになるねんけど、ちょっときついくらいの状態でムリヤリ突っ込んでグリグリ回したらマトモになったから、やっぱり摩耗しやすいと思う」

「それじゃぁ使ってるうちに緩くなっちゃうねっ、・・・でもっ、そうなってきたらどうするのかなっ?」

「メス側のフェルールをバイスで挟んではめあいを確保するわ、『バンブーカムルチィ』で摺り合わせ誤魔化すのにそうやってたからな、あと、今回はオスメス両方を64チタンで削ったけど、オス側はチタンじゃなくってグラスのままでもいいと思う」

「Gamくん、それでもいいんだっ?」

「フェルールの摩耗対策やな、同一種類の金属同士って摩耗の進行が早くなるから、だから片側は銅合金でもいいけどそれって重くなるやんね、だからオス側はグラスでもいいかも知れんなぁ、って思った」

「じゃぁ、試してみないと、ってコトだねっ」

「手ェ抜けるところは抜いたほうがいい、間違いなく64チタンよりグラスの方が加工楽やから、・・・次行くけど、『元竿はグラス&ボロンブランク』、これはイカダ竿ってカーボンブランクは粘りがないってことでグラスブランクが基本みたいやねんな、でも、さっきのソリッドと同じで・・・」

「・・・そのままフツーにグラスにすると面白くないっ?」

「そう、ボロンのイカダ竿やぞ、ボロン、こんなんめっちゃ笑えてしゃーないって」

「・・・」

「わからん?」

「うんっ・・・」

「えーっと、今回元竿に採用したのは『レスターファイン』の『ニンバス』ってグラスブランク、これを切断してるねん、『ニンバス』ってカーボンは一切含んでないけどレスタ得意のフルレングスボロンで、ウチが知ってる限りではグラス&ボロンは『ニンバス』だけやねん、レスタに言わせると『驚愕の反発力と粘り! 驚くべきBoronの感度!』らしいわ」

「じゃぁ、コレも感度重視なんだねっ」

「この世に存在するイカダ竿に対して元竿にも特徴を持たせることを考えると、ウチの場合こんな選択になるわ、ボロン繊維はタングステン線にホウ素を蒸着させてるから、金属の特性、要するに低減衰率をもたらせてる、ってのが感度に対するレスタの言い分やと思う」

「Gamくん、それじゃぁ、この竿って、穂先からグリップまで全部金属が含まれてる、みたいなっ・・・」

「そうやな、『フルメタルイカダ竿』でもいいのと違う?、それくらいのウリがないとビルドしても面白くない、その効果の大小はともかくとしてな」

「う〜んっ・・・」

「・・・『ニンバス』って既存のイカダ竿に比べて元竿の径が細いねん、ボロンアシストなのが一つで、もう一つはさっきも言うたけど肉厚のあるブランクやねんな、具体的寸法は7ミリしかないけど、でも、バットパワーは強烈にある、ちゅーか、ありすぎるくらいでもうちょっと柔らかいブランクの方がいいと思う・・・、そしたら次行こうや」

「Gamくん、このっ、『上下兼用ガイドレイアウト』もよくわかんないけど?」

「もう一回ダイワの竿、見てくれる?

もう一度ブラックレディ
珍しいねっ、同じ画像を2回紹介するのって
上過ぎて誰も見んからな・・・

「並びの通りで上がベイトグリップ採用の上向き専用、下は片軸受けリール用の下向きやねんな」

「Gamくんの竿、ベイトグリップじゃないもんねっ」

「64チタンのパイプやもん、・・・本来は上向き下向きってガイドレイアウトが違うやん、スピニングとベイトロッドを考えてくれたらいい」

「それっ・・・、スピニングロッドはガイドが少ないのと、ベイトロッドってガイドが多いよねっ」

「そう、ライギョ竿じゃなくって柔らかいベイトロッドはガイドを増やさんと曲がったときにブランクに当たるからな」

「そうだねっ、・・・でもっ、ガイドの数って増やせないよっ」

「ベイトリールの場合もソリッドは下向きガイドのままやねん、そうすれば糸が当たることは無視できるやんか、それでな、元竿で位置を変えることにした」

「って言うと・・・、リールが上向きだから元竿もガイドが上向きになるし、それってガイド、すっごく変な並びだよっ・・・」

「そこで2番目のガイドを見てほしい・・・

T-LMSG
これもチタンガイドな
じゃぁ、ガイドも全部チタンなんだねっ

振り出しの誘導ガイドやんか、廉価版のイカダ竿ってガイドラップなしにする目的、コストダウンで誘導ガイド使うケースもあるけどその場合は接着してるんやね、でも、今回は接着してないから、ここのガイドも回るねんな、こんな感じで・・・」

DF-Xの90度スパイラル
上向きレイアウトの場合はソリッドを90度回して継ぐねんぞ
ガイドは45度くらい回すんだねっ

「コレっ、スパイラルガイドっ・・・」

「こうすればなんとか整合性が取れるわ」

「Gamくん、誘導ガイドって一箇所だけだよねっ、コレって、ちょっとムリがあるように思うけど・・・」

「竿が短いのと、誘導ガイドってサイズの制約があるから任意の位置に固定できへんわ、あと、ソリッドの元ガイドも誘導にすればもっとバランス良くスパイラルにできるけど、チタン合金線を巻いたから誘導ガイドがつけられへんようになった、ムチャすると巻いた線が外れると思う」

「ってコトは今は完全に対応できない、みたいなっ・・・」

「ミキ、あのな、スパイラルガイドは180度スパイラルにする必然性ってないぞ、ウチのメッキ竿は90度スパイラルやんか」

3号メッキ殺
ちょっと見にくいけど「3号メッキ殺」の90度スパイラルガイドな
継ぎのところだけ向きが変わってるんじゃないからねっ

「あっ、そうだった・・・、でねっ、90度スパイラルってリール巻く時ってどうするのっ?ハンドルが下に向いちゃうじゃんっ」

「うーん・・・、120度とか135度スパイラルかな?」

「じゃぁ、リールが斜めになっちゃうからっ・・・」

「ミキのご機嫌も斜めやな」

「ぷぷっ、何言ってんのっ」

「ははは、人間の自然な手首の向き、ってあるやんね、・・・ベイトグリップ握る場合、親指が上になるのと横に向くのとどっちが手首が生かせるか、ってことやけど」

「そうだねっ・・・、上よりも横の方が楽だと思うよっ」

「ベイトリールでのキャスティングは親指・・・、リールが横向きになるやんか、それと一緒で片手で操作する場合は横向きにした方手首の動きが生かせる、ってのが90度スパイラルで、次に両手で操作する場合、リールを巻く動作はどう考えても横じゃなくって上向きが自然な角度やん」

「それだと、リールを巻く場合は180度スパイラルがいい、ってコトじゃんっ」

「そう、結局スパイラルガイドの最適なねじれ角は状況によって変わってくると思う、ウチがメッキ竿に90度スパイラルを採用したのは糸ガラミを含めて横に向けての操作性を重視してるからで、今回に関しても片手での微妙な操作を念頭に置いてるわ」

「じゃぁ、リールを巻く場合はガイドが横に向いちゃうんだねっ」

「ガイドが横に向いて竿が下方向に曲がる、・・・下向きの力が加わるとブランクにはねじれの力が発生するわ、ソリッドってさっき言うたけどねじれの力にはあまり具合がよくないけど、ウチの竿はねじれ方向の力を考慮してチタン合金線で補強入れてるやんか」

「あっ、そうだった・・・」

「実際にどれだけ効果があるのか知らんけど、その辺も考慮しての上下兼用変則スパイラルレイアウトのつもりやねんで」

「・・・なんか、ホント、いろんなコト考えて作ったんだねっ」

「まぁな、そしたら最後、『徹底してないけど重量軽減』やねんけど・・・」

「ホントに徹底してないのっ?・・・」

「上下兼用とか脱着式のパイプグリップやら重量的には見直す箇所が残ってる、って意味やけど、この段階でも結構軽い竿になってる

重さ
およそ66グラムやな
ダイエットしたんだねっ

で、ウチの竿は1.25メートルやねんけど、このクラスの長さの竿をピックアップしてみよか・・・」

 
長さ
重さ
ティップ径
バット径
DF-X 009 Lighting Strikes
1.25
66
0.23
7.0
がまかつ がまちぬ かせいかだスペシャル玄凪1.3
1.30
80
0.30
11.9
シマノ 青波功 エビ調子135
1.35
115
0.35
21.5
ダイワ 極覇光 イカダ カセ135
1.35
85
0.30
23.7
黒鯛工房 THE アスリート競技 BX120
1.20
131
黒鯛工房 THE チヌ セレクションV ゼロ8・競技 120
1.20
88
 
 
 
 
 
ヴァガボンド アクションロッド A/P 115 X 461
1.37
90
ちなみにアクションロッドはフローター用のバスロッドで、ダイワとシマノの竿は従来型、がまと黒房がルアーロッド風味な
もちろん、一番上がGamくんの竿だよねっ

「へ〜っ、Gamくんの竿、一番軽いんだ〜っ」

「ブランクの重量は『ニンバス』やからボロンの効果もあったりするのかな?」

「見た目、細いのは、ボロンで反発力を稼いでる、みたいなっ・・・」

「そうそう、そんな感じ・・・、で、これ見たら『アクションロッド』もアルミグリップなんを考えても意外と軽くできてると思わへん?、他のイカダ竿と変わらんくらいやんか」

「それもそうだねっ、バスロッドなのにねっ」

「アルミは一見重そうやけどカーボンブランクの軽さで相殺されてそうな気がせんでもない、逆に『アスリート』は『アクションロッド』と同じくアルミグリップやけど徹底的に重いやん、ウチの竿の倍あるぞ」

「見た目は似てるけど、中身は違うってコトなんだっ」

「『アクションロッド』は完全1ピースやけど『アスリート』ってバットジョイントやねんな、バットジョイントは重さで考えると不利になるよ、それはライギョ竿でも一緒やん」

「・・・」

「だいたいこのクラスの短い竿って重量的にはグリップの占める割合が大きいわ、・・・まず、ウチの竿の場合、64チタンパイプとスライドリング、エンドキャップの重量はこんなん・・・

チタンパイプ
コレっ、重いのかなっ
判断は人に任そうと思う

これにブランクのジョイント・・・、ここだけはチタンでも純チタンから削ったけど、約10グラムほど追加されるから、総重量の約2/3がグリップ周りの重さになるやん、で、次にフジのパイプシートとEVAグリップでウチの竿と同じ長さ、20センチのグリップを組んだとすると・・・」

パイプシート&EVA
ねぇ、EVAって片側だけでいいのっ?
やっぱりパイプシートのいらんネジ部は切断した方がいいと思うけど

「なんか、Gamくんのチタンパイプとかわんないねっ・・・」

「これに貫通式の場合はブランクの重さが追加されるよね、これに見た目重視でメタルパーツをふんだんに使ったりなんかすると・・・」

「ブランクって、重さ、どれくらいかなっ?」

「うーん・・・、組んでしまってる元竿の重さが26.8グラム、これにジョイントの重量10グラムをマイナスして、長さは40センチやから半分すればだいたい計算できるやん」

「ガイドとか、フェルールの重さって?」

「貫通式にした場合は元径が太くなるからこの計算式より重くなるわ、メス側フェルールは1.5グラム程度、ガイドは無視できるくらいやからだいたいそれでいいと思う」

「え〜っと、計算すると8.4グラムになるよ」

「それにさっきの秤量加算してみたらパイプシートとEVAで組んだ重量・・・、通常はここにエンドキャップとかワインディングチェック、嵩上げ用のアーバーとかテープみたいなのがさらに加算される、そうなると64チタンパイプでもそんなに変わらんし、調子こいて可変バランサーとかブチ込んだ日には目ェも当てられん結果になりそうな気がする・・・」

「あっ、そうそう、可変バランサーって今回の竿はやらないのっ?」

「前に言うたやん、『夏は蓄冷材、冬はカイロ作戦』って」

「あっ、そうだったねっ」

「ははは、それは6フィートとかのウルトラライトロッドでの話し、今回みたいな1.2やら1.3メートルとか短い竿の場合はバランサーでヘタに重量を増やしてまで持ち重りを気にするよりもそのままの方がいいと思う、なにせグリップ重量が2/3くらいやねんし、元々が軽いやん」

「ふ〜んっ・・・」

「まぁ、気にするなって、イザとなったら得意の『アホテク』、銅タングステン合金で可変バランサー組むけど、恐らく必要ないと思うよ、・・・まぁ、今回はこんなでイカダ竿を組んだねんけど、ウチの最近のロッドビルドについての想いを述べると、『ウチにしかビルドできへん竿を組む』って感じになるわ」

「Gamくんじゃないとダメっ・・・、それじゃぁ今回の竿もっ?」

「ウチ以外に誰がこんな竿ビルドするねんな・・・、世間的にはウチよりも上手いヒトっていっぱいおると思う」

「上手い、ってのがちょっとわかんないねっ」

「ああ、わかりやすく言うと『見た目がカッコよくってきっちりビルドしてる竿』って具合、人前に出しても恥ずかしくない、他人に対してお金を取ることができる竿やな、おまえ、ウチの竿見てわからんか?」

「そうなのかなっ?、・・・Gamくんは、そんなのってダメっ?」

「基本的技量がなってない、適当人間やからウチが組んだ竿って釣具屋さんで売ってる安い竿よりひどいと思う・・・、でも、ビルドが上手いヒトにでも組めん竿、ってのがあると思う、それは結局、見た目なんかどーでもいい、ウチの独特の発想に基づく『変態コンセプト』とか『アホテク』だったりするワケやけど、ウチがめんどくさいのにわざわざロッドビルドする理由はそんなんしか残ってない、とも言えるなぁ・・・」

「結局、見た目、ちゃんとビルドできないからそっちに逃げちゃってるっ・・・」

「あー!それを言うなー!!」

「ぷぷぷっ、やっぱ、そうなんだね〜っ、・・・それじゃぁ、これで一通り紹介したけど、なんか、ホントに盛りだくさん、って感じだったよっ」

「お腹いっぱいと違うか、ミキ?」

「はははっ、そうだね〜っ」

「ほんならちょっとだけ、おかわりするわ」

「おかわりっ?」

「ライギョネタやんか、これがないと始まらん、ちゅーか終われん、そしたらこれ、見てくれる?」

スピンストーム
バットガイド見てくれる?次のがMNSG40やからな
なんか、すっごくおっきいねっ

「・・・コレは『すぴんすと〜む』っ、このあたりでライギョを釣るんだよねっ」

「注目はガイドやな、何回かコメントしてるけど『PacBay』の呼びサイズ70、巨大ハードリングをテープで借り止めして試しに振ってみてん」

「テープって・・・、そんなので大丈夫なんだっ」

「この辺のカムルチィ一本やったらええと思う、部屋の横やからあかんかったら帰るだけ・・・、ちゅーか、釣れへんかったけどな」

「ぷぷぷっ、いつものコトじゃんっ」

「・・・」

「はははっ、ウソだよ〜っ♪」

「それ、こっちもウソぞや、これでカムルチィ釣ったっちゅーねん」

「あ〜っ、そうなんだ〜っ」

「・・・それはいいけど、スピニングライギャーの懸案事項って覚えてる?」

「確か、飛ばないってコトじゃなかったっけ?」

「そうやね、で、この巨大ハードリングとマッジーフロッグ改の組み合わせで追い風参考で30メートル、風なしでも25メートルやから射程距離がちょっと伸びた」

「前はどうだったっけ?」

「竿が違う、前は8フィート6インチのシイラ竿、今回はセンクロのフリッピングロッドのブランク、7フィート6インチやねんけど、前回は通常条件で20メートルやな」

「じゃぁ、竿は短いけど今回の方が飛んだんだねっ」

「そういうこと、ガイドが重いのが最大のデメリットになるけど、ウチ的には一歩前進したよ」

「そうなんだっ、Gamくん、よかったねっ♪」

「ミキ、おおきに、・・・そしたら落としてしもた5月号、終わりにしよ」

「そうだねっ、『フックの法則!?』もまだ残ってるし、なんだかんだ言ってるけど、まだまだいっぱいありそうだよねっ」

「ミキはわかってると思うけど・・・、『フックの法則!?』はこんな感じで現在進行形やからな、なぁ、ミキ」

フック
刺さると痛いよね〜っ
フックポイント拡大したったけど、カムルチィも痛そうやぞ(笑)

「そうだねっ、でもねっ、・・・『インクジェット作戦』の続きって?」

「・・・るん♪」

「ぷぷぷっ、Gamくん、誤魔化してる〜っ」

「ほんならこれで終わり!さいならー!!」

「あ〜っ、また、放置しちゃってるよっ・・・」

(2009/6/7発行)

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