5月になるとカムルチィの釣果の声も聞こえてくるよね。海部郡に引っ越しした管理人も、状況視察なんて感じで竿も持たずにその辺の溝なんかをフラ〜っと下見に行っている。うん、浮いてるだけやったら結構見たぞ。せやけどなぁ、「その辺の溝で浮いてる」ねんぞ。こっちではそれがフツーなのかも知れないが、ヨソ者の管理人にとっては、途惑いを隠せない事実だったりする。うーん・・・。ただこの時期、ロケーションにも依存するだろうが、離れたところからカムルチィが追っかけてきて「ばふぅ」なんてのはちょっと早いのかな。なので、浮いてるサカナ狙いがメインになると思う。でも、まだヤル気がないのか無反応、ってことも多々あるだろう。そんな感じなので、シーズンイン当初の見えてるサカナ狙い用のカエル・チューンをやってみよう。
今回のお題はコイツだ
ついに本編登場、マンズのゴブリンちゃん
アメリカンルアーの鬼才トム・マンの誇る?中空ペンシルベイトの小さい方、ゴブリンなのだ。釣具屋さんではあまり見かけないと思う。だって、誰も使わない、いや、使えないから。ちなみにこれは「でんでんまる」さんに注文して取り寄せてもらっている。こんなの注文するって、やはり管理人しかいないのかな?ダブルフックはムリだし、フツーのタックルでは投げることすらままならないから。
この時期にゴブリンを使う理由、それは、小さいから(笑)。冗談じゃなくて本気で。要するに「フィネスフィッシング」とでも言えばいいのだろうか?言い方を変えれば「セコ釣り」だよね。反応が悪いときはサイズダウンする、これってよくやる手だと思う。ただ、カムルチィ狙いだとタックルの制約上、あまりサイズダウンしたカエルは使えない。せいぜいスナッグプルーフ程度なのかな?でも、管理人はスナッグでもダメな場合は更にサイズダウンしたゴブリンを使っている、というか、この時期は常用だ。本来はカムルチィ狙いじゃなくて、タイワンドジョウ狙いで使ってきた。だが、カムルチィ狙いでもこの時期だとアンタレスみたいなPE6号クラスのリールが使える、なので素直にゴブリンに運命を託していたのである。ハッキリ言おう、釣れるぞ、マジで。極端な話しだが浮いてるサカナに遭遇する方が難易度が高いのかも知れない・・・
どれだけ小さいのかというと、
管理人の定番、クロークJrと並べてみる
見ての通り、長さはクロークJrと変わらないが、ボリュームのなさが桁外れなのである。まさにセコ釣り、そんなコトバがピッタリなのだ。こりゃ飛ばんぞー。一応、PE10号クラスのリールでは30mなんて飛距離結果が残っているが、これは竿の反発力を生かして投げたのではなく、竿に乗せるような投げ方だからコントロールもへったくれもないのだ。やはりアンタレスを使おう、いや、フローティング殺しの旧ウルトラマグでもいいかもね。
このサイズだとダブルフックはムリ、というか、考えたことはない。ボディが細すぎるからね。なので、前回の「カエル・チューンその2」で紹介しているが、シングルフックwithナイロンガード仕様、フックポイント突き出しが最適だと思う。いや、他に方法が思いつかないのである。ちなみにタイワンドジョウ狙いだと、確実にシングルフックの方が扱いやすいと思う。なぜ?彼らは小さいから、口腔内の奥ににフッキングした場合はダブルフックだとめちゃくちゃ外しにくいのだ。誰もがそうだけど、管理人も魚を釣って嫌な思いはしたくない。あと、柔らかい竿を使うことも大いに関係があるだろう。柔らかい竿にボディウィードレスのダブルフックの組み合わせだと、確実にフッキングは悪くなる。これは考えなくてもわかると思うぞ。
それでは実作業といってみよう。ただ前回と同様の作業が多いと思うが・・・
とにかくバラす
フックはカルティバ3/0にロウ付け純正アイの組み合わせ
アイについてちょっと補足しておくと、今回は純正アイをロウ付けしている。このロウ付けなのだが、自作のアイだとホームセンターなんかで売っているステンレス線を使用するのだと思うし、管理人もそうしてきた。実はこのステンレス線がクセ者で、基本的にはSUS304なんていうオーステナイト系ステンレス鋼(「ベアリングについてのエトセトラ・材質編」を見てね)を使うのだが、変に加熱することによって「粒界腐食」と呼ばれる現象が発生して錆びやすくなるのだ。ただ、淡水ならどうでもいいかも知れない。けど、豆知識レベルだけど、知っておいて損はない思う。(今回はカエル・チューンなので詳しく説明しないけど)
フック位置をとりあえず決めてしまおう
ステンレス線でオモリのホルダーを追加してやる
オモリはウォーターグレムリンを使ってみた
スイムテストしたら沈んだのでオモリは削る
で、セキ糸でグルグル巻きにする
ケプラーセキ糸は瞬間接着剤との親和性がいいみたいなので、ここはパンドー156Aやエポキシ系じゃなくてアロンアルファでいい。でも、在庫を引っ張り出してみたら容器の中で硬化していやがった。くそっ、最後まで使い切ったことないぞ・・・。なので中断、「でんでんまる」さんに買いに行こう。
DDMお勧め商品だそうで
スペースシャトルらしい(笑)。これもシアノアクリレート系だね。次行く、
ガード用のナイロン80ポンドを取り付ける
本体にナイロンを通してフックに先にセキ糸を巻く
それから皮を一緒に巻き込みズレ防止にする
あとは前回同様の工程、ナイロンループはこんな感じだ
この状態でパンドー156Aつけちゃおう
で、かなり省略したけど完成だ。
ゴブリンちゃん完成!
一応、最終確認のスイムテストも・・・
ボディはほとんど水面下、でも、PEラインの浮力があるから完全には沈まない(と思う)
本当にギリギリ浮きなのである。ちょっとでも水が入れば沈むだろう。でも、この微妙なセッティングがポイントなのである。なぜなら、この時期のサカナって反応があまりよくないケースが多いのだが、こんな場合は「水面で誘っておき、おもむろに沈ませて水中で食わせる」なんて変態技を使うからなのだ。おまえ、それは反則やんけ!いや、オープンやから何でもいいと思うぞ。管理人は水面オンリーにはコダワっていないから。ただ、さすがに完全なアンダー狙いはやったことはない・・・
変態ついでにもう一つ、こんなのもある
どう違うねん?
ゴブリンの悪いところは、すぐボロボロになって消耗が激しいのだ。なので、予備の在庫は常時確保しており、その在庫で組んでみたのだが、比べてみるとアイがちょっと短いのがわかると思う。それはナイロンガードがないからなのだ。要するにノーガードのパンチドランカーってヤツ。だって、オープンやぞ(笑)。なぜ中空ボディウィードレスが存在するかと言えば、ウィードレス効果があるからに決まってるだろう。逆に言えば、引っかからないのならガードは必要ない、だとすれば、管理人の発想だと必要のない飾りなんかいらない、ウィードレスにもコダワっていないのだ。それやったらワームを使え、アホかー!いや、それこそ意地と誇りの問題で、管理人はフライライギャーとか言いながらフライじゃなくて中空ゲジゲジ使う人だからね。あと、このサイズで微妙な浮力を保たせながら飛距離を稼ぐとなると、やはり中空スタイルのギリギリ浮きがベスト、浮力の微調整も簡単だから。
オープンだからといって調子に乗ってガードまで外してしまう、コダワリのない管理人に未来はあるのか?いや、次回のカエル・チューンは更にオープンに特化してるのだったりする・・・
アホか・・・
引き波最強伝説・サザンルアーのサンダートード(笑)。ゾウさん大やボンバーでもコイツには敵うまい。これはタイワンドジョウ用に作った、いや、カムルチィを釣った実績もあるのだが、今度は更にカムルチィ用に強化してみようと思っている。ボディだけで使うのもいい感じだけどね。
次回、水上偵察機「紫雲・蛇頭殺」を待て!(2007/5/4更新)