さて、今回はファイナルダムン初のリール検証編といってみる。お題は「ABU New Record 60」、一応、「Revo」以外だと最新版なのかな?
永遠の左ハンドルベイト使いも「ミリ逆」に続き右ハンドルで特集か・・・
今回のリールは管理人の所持品ではない。ご当地、海部郡の釣具屋さん、「でんでんまる」さんから借りてきている。それにしても、管理人の趣旨を理解いただいた上で、気軽に貸してくださった「でんでんまる」さんには感謝の気持ちでいっぱいである。この場で改めて謝意を表する次第です。
あと、もう一つ、皆さんがリールを購入する際には、人の意見を聞いたり、インターネットで検索するのだと思う。だが、今回の検証はそういったのは無し。海外サイトをちょっと見た程度かな。実のところ、先入観を持って検証するとロクな事がないと思っている。見えるものも見えなくなってしまうだろう。グレーゾーンは黒にも白にも見えてしまうし、人の意見に左右されたくもない。なので、姿勢はあくまで中立、これが重要であることも付け加えておきたい。
それではメーカーの公式発表から見てみる。まずは本家ピュアフィッシングから。
お次はピュアフィッシングジャパンだ(めんどくさいから、以下PFJね)。
ライギャーリールとして気になるのは、飛距離、ラインキャパ、MAXドラグ値といった感じか?あとは巻き上げ具合程度だろう。頑丈といった性能に関しては、もしABUのリールが簡単に壊れるようであれば、長年にわたってライギャーリールのスタンダードとして使われることもないだろうから、今回は考慮しないことにした。それでいいよね?
まず、飛距離に関わってくるベアリング編、本家だとボールベアリングとローラーベアリングの合計で6コという表示、これは今までのC3やC4のやり方と同じだよね。一方のPFJは日本の表示方法だからボールベアリングが5コとローラーベアリングが1コという風になる。ベアリング8コのPROMAXシリーズほどではないが、回転部分には結構入っている感じだ。
実際どこに入っているかをパーツリストで見てみよう(パーツリストはPDFを拾ってきたのでこちらをクリックしてね)
左カップは6280番がボールベアリングっぽい。シャフトをボールベアリングで受けてるみたいだ。あと、コグホイールの1117080番もそんな感じがする。次はスプール、ギヤの右にある19643番と反対側の13472番がそれに該当するだろう。ただ、同じ部品なら番号も同じはずだからちょっと疑問が残るのだが、サイズ違い?いや、わからん・・・。そして右カップはメカニカルブレーキにも6280番があり、これもボールベアリングだよね。こちらもシャフトをボールベアリングで受けてるってことだ。だとすると、本体にはボールベアリングが5コ入っていることになるし、インスタントアンチリバース用のローラーベアリングはハンドル軸だから、PFJの5ボールベアリング&1ローラーベアリングは正解だ。ただ、スプールとシャフトが別体のABUでシャフト両端をボールベアリングで受ける意味がよくわからん、ボールベアリングの個数を無駄に増やしてるだけなのか?それならC4みたくレベルワインドのシャフトにも入れておけって感じだぞ。
では、実際にリールを分解してベアリングを確認してみる。
まぁ、この辺は簡単だろう。あと、コグホイールも確認しなければならないのだが、「旧ABUシャフトレス」でもやったように、無傷では外せそうにない。でも、管理人のリールではないから勝手に加工なんかできないのだ。なので、「でんでんまる」さんに許可をもらっての行為なのは当然のことだったりする・・・
予想通り、コグホイールはボールベアリングが組まれていた。なので、最新ABUのコグホイールBB化はNew Record純正流用で決定だ。1117079番と1117080番を釣具屋さんに注文しようぜ!管理人は速攻で「でんでんまる」さんに注文したぞ。
今のところボールベアリングは3コだ。あと2コはスプールかな?
ここは別にどうってことないのだが、お金を出して買った人は次を見たら発狂するかもね・・・
おい、なんやねんこれは!ブッシュ、旧ABU風に言えばブロンズベアリングだ。部品番号が違うのも当然だろう、このウソつき・・・それじゃぁあと1コはどこに入っているのだろうか?
・・・・・・
ない!どこをどう探しても見あたらん。レベルワインドもいつもの白いポリアセタール樹脂だ。ただ、しいて挙げるのならこんなのがあったのだが・・・
見にくいけどわかるかな?これは上のブッシュを外したら見えるのだが、スプールに内蔵されているローラーベアリングで、ハンドル軸と同じく一方向にしか回らないワンウェイクラッチっていうヤツだ。コイツについてはあとで詳しく検証しよう。
以上、ベアリング編の結論は、
都合7コのベアリングが正解だったりする。レベルワインドのポリアセタールは含めなくていいだろう。いずれにしても本家もPFJも間違えてるのと違うか?どちらかと言えば本家の方がまだマシか。ブッシュを計算に入れるかスプールのワンウェイクラッチにするかのどちらかだし、ベアリングとは軸受けの総称であってボールベアリングには限定されないのだからね。それに比べるとPFJは明らかにおかしい、ボールベアリング5コと謳っているのだから・・・。
で、スプールベアリングの件でちょっと面白いのがあったので紹介するが、ご存じ「Bass Pro Shops」のサイトでNew Recordの商品紹介ページを見るとこんな画像がアップされていた。
もちろん管理人がこんな画像を作成したり、カットモデルを作ったのではない
今ならフライス盤で楽勝だと思うけどね
どうだろうか?この画像だとスプールベアリングは両方ともボールベアリングだね。少なくともブッシュじゃない。じゃぁ、アメリカ仕様はボールベアリング?いや、その答えはこちらを開いていただこう。アメちゃんがNew Recordを分解してるのだが、こちらもブッシュなのだ。恐らくこのアメちゃん、 「なんじゃこれは、ブッシュやんけ、アホんだらー!!!」と叫んでるのだろう。なので、ブッシュは世界共通だと思う。ほなら、この画像はなんやねん?という話しになるのだが、「当初はボールベアリング2コの予定だったが、コスト削減で1コはブッシュにした」と管理人は推測しているが・・・
デタラメな公式発表を暴くところから始まったのだが、次はラインキャパ編、上の表をご覧いただきたい
・・・ん?またおかしいやんけ。PFJだと0.30mmの糸が100mなのに0.40mmも100m巻けることになっている。だが、これは絶対ありえん。デタラメばっかりでどないするねんPFJ、60/61HCのギヤ比も本家と違うぞ!って感じなので、公式発表は無視して実際にPEラインを巻いてみよう。勿論のこと浅溝穴あきスプールだからPE10号を実用的な長さ、70〜80mを巻くなんてのは無理だ。なのでPE6号、よつあみのウルトラダイニーマを巻いてみた。
これで80m巻いている。スプールエッジのギリギリだから、人によっては「おまえ巻きすぎやんけ!」となるかも知れないね。8号だとちょっと少ないと思うので、管理人が便宜上分けているクラス表示としてはPE6号クラスに相当するだろう。アンタレスやCV-Z253Lと同じクラスってことだね。
お次はドラグ編なのだが、残念なことに本家とPFJの両方ともドラグ値の表示がない。通常の使い方だとそこまで酷使しないからかな。で、最近のABUは「カーボンマトリックスドラグ」なんてのを採用しているのだが、少し前のABUだと強化ドラグワッシャは必需品だった。果たして今度のはどうだろうか?
というワケで「必殺パワー!New Record編」だ。例によってドラグ値を測定してあげようではないか。ただ、借り物のリールだから完全フルロック状態にして壊すワケにはいかないのは当たり前だ。なので、ちょっと手加減している・・・。
まずは0mの状態から。(実験方法はこっちを参考にね)
一方、30mの状態はこんなのだ。
ということで、結果はこんなの。
リール |
0m |
30m |
New Record 60 |
8.75kg |
10kg |
どうだろうか、意外とMAXドラグ値はいい感じだ。少なくとも強化ドラグワッシャの必要性はないように思える。なお、テンションをかけた場合の糸の喰い込みなのだが、PE6号とだちょっと細い目なので、きつく巻いたけど、やや喰い込み気味の傾向にあった。ただ、それでメチャクチャ数字が上がるわけでもなかったから、気にしなくていい?もう少しドラグをきつく締めることだってできたし。なので、合格点を与えてあげようね!
ライギャーリールに必要な要素を検証してみたが、もちろん飛距離は「飛ばせ、鉄拳!New Record編」とか言ってブン投げないと実際にわからないし、巻き上げについては魚を掛けないと評価のしようがない。で、次はNew Recordの謳い文句を見ていこう。PFJのサイトから拾ってみると、
結構多いのである。この中で管理人が気になるのは新機軸のワンウェイ・メカニカルブレーキだ。ニッケルテフロンコーティングウォームシャフトとカーボンマトリックスドラグワッシャーもちょっと気になる。それ以外は能書きをたれる必要はなさそう?特に4.はどうでもいいと思うし、3.と8.は区別する必要なさそうだしね。それでは見ていこう。
ワンウェイ・メカニカルブレーキはPFJ公式発表によると「メカニカルブレーキを最大に締めても、それがリトリーブ時には切れるので、常にハンドルの軽い巻上げが可能」ということだ。今までのベイトリールにそんなのあったっけ?管理人は知らない。で、スプール周りを眺めていたのだが、スプールに内蔵されているワンウェイクラッチがキーポイントなのである。
矢印をいくつか追加したのだが、これは右ハンドルのリールだから、赤が投げる場合のスプール回転方向で、緑は巻き取る場合の回転方向だ。ワンウェイクラッチの動作方向はというと、スプールを赤の方向に回すとワンウェイクラッチがロックされてスプールとシャフトが一緒に回転する。一方、緑の方向に回すとワンウェイクラッチがフリーになって、スプールとシャフトは切り離される様になっている。メカニカルブレーキは青の矢印、シャフトの端に対してアキシアル方向に圧力をかけているのだが、反対側にあるスプールギヤとボールベアリングは接触せず、その奥の左カップがシャフトの端に接触するようになっており、純粋にシャフトだけがメカニカルブレーキの締め付けの力を受けている。
この「シャフトだけがメカニカルブレーキの締め付けの力を受けている」というのが重要で、投げる場合にはシャフトとスプールが一体になって回転して、さらにシャフト自体はメカニカルブレーキの締付力も受けているので、従来のシャフトスプールと同じ状態になる。巻き取る場合にはシャフトとスプールは分離されてスプールだけが回転するので、いくらメカニカルブレーキを締めても全く影響がない状態になって軽く巻き上げることができる。
どうだろうか?ワンウェイ・メカニカルブレーキの動作原理はこんな感じだ。あとは、
というのも追記しておく。管理人の場合、メカニカルブレーキの調整はスプールのガタがなくなる程度、というのがクセになってたから、ちょっと悩んでしまったのだった・・・
ちょっと脱線するけど、管理人が保有しているPE10号クラスのリールのスプール重量を測定してみたので、参考として紹介しておく。
リール |
スプール重量 |
スプール付属のベアリング |
New Record 60 |
39.7g(シャフトあり) |
BBx1、ブッシュx1、RB×1 |
New Record 60 |
32.1g(シャフトなし) |
BBx1、ブッシュx1、RB×1 |
6501C HWP |
36.5g(シャフトあり) |
BB×2 |
'05・6501C |
25.7g(シャフトなし) |
BB×2 |
旧ABU・6000C |
28.8g(シャフトあり) |
なし |
旧ABU・6600C |
31.4g(シャフトあり) |
なし |
'87・6001C |
31.5g(シャフトあり) |
なし |
現行ABU・6000 RED |
26.8g(シャフトなし) |
BB×1、ブッシュ×1 |
シマノ・CTE401 |
33.8g(シャフトあり) |
樹脂ベアリング×1 |
ダイワ・ミリオネア6H |
26.8g(シャフトあり) |
なし |
ダイワ・TD LUNA 300L |
32.8g(シャフトなし) |
BB×1 |
Quantum・CABO PT31 |
34.9g(シャフトあり) |
なし |
こうして比較してみると、New Recordのスプール重量、投げる場合のシャフトを含んだ重量はとんでもなく?重いのである。また、'05・6501Cが軽いのも驚きではあった。それ以外にも色々思うところはあるのだが、ここではコメントしない。実際には糸を巻いた状態がスプール総重量になるから、こんな感じだ。
リール |
スプール総重量 |
ラインキャパ |
New Record 60 |
51.5g |
PE6号80m |
'05・6501C |
45.9g |
PE10号80m |
糸を巻いた場合だと、双方の重量差はかなりなくなってきているけど、それでもNew Recordは重いのである。これが飛距離に不利にならなければいいが、果たして実際のところはどうだろうか?ただ、「飛ばせ、鉄拳!フルキャスト編」ではどのリールもあまり変わらなかったから、カエルを投げるのなら、という但し書きではあるが多少の重量差はどうでもいいのかな、という結論になりそうだ。それよりもフリクションロスの低減に集中した方がいい?
次は6点式遠心力ブレーキだが、特筆してピックアップする事項もなさそう?シマノSVSと同様に、6個のブレーキブロックがON・OFFの選択が可能、というのが従来のABUとは違うくらいか。あと、しいて挙げるのなら、
1.は従来のシャフトレスだと白いブロックと黒いブロックが付属していたのだが、どっちも変わらないように思っている。なので、従来と一緒といえば一緒かな。ちなみに従来型のブロックは取り付けできない。
2.については、管理人の旧ABUシャフトレスでの話しなのだが、1箇所すでにロックが甘くなっている。そんなにムチャクチャした覚えはない。なんでやろ?
3,は但し書きがあって、裏表があるので取り付ける際には注意すること。これを間違えるとユニットが規定位置まではまらないのでトラブルの原因になることが予想される。もしかすると、管理人は裏表間違えてたからロックが甘くなったのかな?
便宜上、表裏という表現をするが、左が表で右が裏だ。ブレーキブロックがユニットのツラ、画像では赤い線から突き出しているのが表なので、スプールに組む際にはこちら側が見えるようにして組むことだ。
次に行こう、3.と8.はインスタントアンチリバースだ。ハンドル軸のワンウェイクラッチなのだが、最近流行の防錆ベアリングらしい。とりあえず覗いてみよう。
左がNew Recordで、右は現行ABU・6000 REDだ。サイズはもちろん変わらないが、色が違っている。New Recordはちょっと茶色っぽいので、もしかするとこれが防錆処理なのかも知れない。6000のワンウェイクラッチはステンレスそのままの色をしているね。
4.はどうでもいいから省略して5.のニッケルテフロンコーティングウォームシャフト、なんか表現がややこしいのだが、「無電解ニッケルテフロンメッキ」 という処理方法ではないかと推測している。まぁ、コーティングという表現がメッキに変わっただけだ。メッキよりコーティングの方がカッコいいからかな?
上がNew Recordで、下は旧ABUのシャフトだ。この画像だと色目がわかりにくいのだが、旧ABUは硬質クロムメッキだろう。無電解ニッケルテフロンメッキはメッキの被膜中に自己潤滑性に優れたフッ素樹脂の微細粒子が含まれており、摩擦係数と耐摩耗性に優れているのが特徴だ。従来あるような硬質クロムメッキよりも耐摩耗性に優れているみたいで、これはフッ素樹脂の微細粉末の働きによるものだろう。被膜表面だけでなく、被膜全体に微細粒子が含まれているので表面が摩耗しても次から次へと粒子が現れる、なので、その効果も継続的になると思う。ただ、シャフトはOKでも爪は摩耗するみたいだ。先端部分に色が違う部分、当たりのついている箇所があるのだが、ちょっと摩耗気味ではある。 色目的にはシャフトと変わらないのだが・・・
次は6.のクラウンカットブラスギヤだが、ここまでくると本当にワケがわからなくなってくる。まさか、「お〜っ、クラウンカットブラスギヤか!すげ〜なぁ、ABUのギヤは!!」とか言って買う人はいないだろうし、PFJの営業さんも意味を全く理解してないだろう。だが、ファイナルダムンはそんじょそこらのWebサイトとは違うのだ。変態ライギャーだから何でもお見通しだね。
ギヤを側面から見ると斜めに歯切加工されているが、その線は直線ではなくて真ん中が微妙に膨らんだ加工を施している場合がある。これを「クラウニング」と呼ぶ。わかりやすくするため、ちょっと大げさに曲線をひっぱてみた。
メインギヤとピニオンギヤの位置関係は、加工精度や遊びの影響で完全には平行にならずに微妙にずれてしまうのだが、直線の歯形の場合だと、平行でない場合はギヤの真ん中ではなく端で片当たりしてしまう。すると噛み合いがおかしくなり、摩耗や異常音の原因となる。真ん中が膨らんだ微妙な曲線をつけることによって、ギヤの片当たりを防止し、できるだけ真ん中で噛み合わせるようにするのだ。もちろん、曲線のつけすぎが逆効果になるのは言うまでもない。
あと、「ブラス」というのは材質で黄銅、一般的には真鍮のことで、昔から使われている材質だ。最近は超々ジュラルミン製ギヤというのも目にするよね、ステラとか・・・
ようやく最後のカーボンマトリックスドラグワッシャー、その効果については先に実験して試してあるからいいだろう。従来のABUに比べると大幅に改善されていると言っていい。強化ドラグワッシャは必需品だったからね。そうなると、このカーボンマトリックスドラグワッシャーを従来のABUに移植できるのか、ちょっと気にならないかな?
というワケで、「純正流用カーボン製強化ドラグワッシャ」を試してみよう。
これも左がNew Recordで、右は現行ABU・6000 REDだ。ドラグワッシャの並ぶ順番やステンレスのワッシャは共通で、カーボンワッシャか普通のワッシャかの違いだけだと思う。大きさも同じだし、これだと問題なく組めるだろう。
これがそのカーボン製のワッシャだ。ドライカーボンとでも言えばいいのか?炭素繊維が編みこまれており、結構硬いパキパキのワッシャなのである。6000は普通の柔らかいワッシャだから、単車のガスケットか何かを連想してしまう。
画像では1枚だけ乗せているが、全部組んでも問題はない。ということで、「純正流用カーボン製強化ドラグワッシャ」は可能だね。注意点なのだが、このカーボン製のワッシャは乾式なのでグリスは塗布しないこと。組む場合はギヤやステンレスワッシャはアルコールか何かで脱脂洗浄しておいた方がいいと思う。ライギャーリール限定だけど、滑り出しの滑らかさを求める必要はないからね。ついでにもうひとつ、値段が不明なのだ。純正流用の魅力は社外品に比べるとコストがかからないことなのだが、PFJのことだ、とんでもない値段を付けてるかも知れないから気をつけよう。従来タイプのワッシャだと6500C Heritage Bronzeなら1枚200円だ。この程度で済むのなら、3枚600円だからお買い得だと思う。誰か試してみない?
さて、PFJの謳い文句も全て検証したのだが、何か足らないことがあるよね。能書きはいいから魚を釣ってみろ!、これに尽きるだろう。「まだシーズンと違うし、シーズンインまでには返す約束だから・・・」などと言い訳してみたりするのだが、シーズンじゃなくてもできることがあるぞ。そう、管理人の定番、飛距離実験でケリをつけるのだ。
ということで、「飛ばせ、鉄拳!New Record編」だ。
2007年3月10日(土)は曇り空、なんだか雨が降ってきそうな感じではある。だが、好都合なことに風はなく、飛距離実験にはいい感じだね。飛距離実験の実施場所はいつもの池で行っている。実験するためにわざわざ大阪に帰った?いや、さすがにそんなことはしない。所用で帰ったついでだ。ただ、海部郡だと、どこで実験しようかなぁ?と悩んでもいる。本気でカムルチィを釣ってる人の横で実験するのもいい気がしないし、狭いエリアだと投げれない、60m以上投げれる場所を探さないといけないのだ。ちょっと今後の展開に影響するだろう。
では、いつものタックルセレクト、
ここまでは例の如く、そして今回の主役、リールなのだが、
New RecordがPE6号クラスなので、比較するリールもPE6号クラスを選択している。となると、やはりここはCV-Zじゃなくてアンタレスの出番だろう。両方ともPE6号を80m巻いている。アンタレスは10m余計に巻いて80mなのもいつもの通りだ。あと、5001C改シャフトレスもついでに試してみた。これは比較云々ではなく、本当に試してみた、という表現が正しい。実験方法も、これも「飛ばせ、鉄拳!フルキャスト編」と同じだ。ただ、New Recordのメカニカルブレーキは例の「ワンウェイ・メカニカルブレーキ」なので、ガタがなくなる程度、という調整ができない。なので適当な締め加減だが、教科書通りの締め加減ではない。やはりかなり緩いと思う。
それじゃぁ、結果報告といこう
63m+(2コ) ちょっと評価のしにくい結果なのだが、この大きいスプールでアンタレスの-2m程度であれば上出来だと思う。少なくともCV-Z253Lよりはいい。 |
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65m+(透明1コ)
いつも通りの結果だ。何も文句はない。 |
|
58m(3コ)
最低でも60mと予想していたのだが、ちょっと期待外れだね。詳細は改めて報告するよ。今回はコイツが主役じゃないから・・・ |
New Recordもアンタレスも+表示になっているが、タイミングがバッチリ決まれば実飛距離で70mに達したこともあった。マグレとも言うが・・・。ただ、そんなことは滅多になく、平均的にはこれくらいの飛距離判定が妥当だと思う。やはり、ちょっとだけどアンタレスの勝ちということにしておこう。ということは結構なポテンシャルを持っているのかも知れないね。あとは浅溝スプールじゃなく、深溝スプールでPE10号というのを試してみたいなぁ、と思ったが・・・
総評
さて、色々と見てきたり実験したが、果たしてこのリールは買いなのか?お金を投入してまで入手する価値があるのか?ちょっと考えてみた。見た目はPE10号クラスなのに、実際にはPE6号クラスというのがちょっと引っかかるのだが、どうだろうか?一応、管理人なりのコメントを残す。
まず、PE6号クラスとしての評価は・・・微妙
PE6号クラスだと、今回みたいなアンタレスとの比較になる。値段からするとスピードマスターかも知れないが。で、アンタレスに対する優位点は、
一方、アンタレスの優位点は
ライギャーリールの要素として先に挙げたラインキャパとドラグはNew Recordの方がいい。だが、PE6号を使うシチュエーションはオープンエリア〜ライトカバー域なのだから、ドラグは考慮しなくていいと思う。アンタレスでもヒシなら対応できる。いや、ムリヤリ対応させている。そうなると、あとはどの性能を優先するかによって決まるのだが、管理人の好みだとアンタレスになる。少なくとも今回の検証ではアンタレスに取って代わるだけの魅力は感じなかった、というのが結論。もちろん、実際に魚を掛けたワケじゃないので、巻き上げ等、まだ評価し切れていない部分は残っているのだが・・・
お次はPE10号クラスとしての評価なのだが・・・???
?が3つも並んでいる。もちろんPE10号クラスなら、今回の浅溝じゃなくて深溝スプールのNew Record 60/61HCで評価をしないといけないから、という意味での?だ。このPE10号クラスリールとしての比較対象はダイワやシマノのリールじゃなく、同じABUの現行C3やC4との比較をしてしまう。それだと、安いC3やC4に対する優位点を探さないといけないのだが、それこそ???なのである。違いといえば、
C3もしくはC4との個別の比較だと、ギヤ比やサムバーの有無かな?やはり厳密には深溝スプールで飛距離実験をしないと判断しかねるのである。そうなると、現状では見た目で選んでいい、ってことになってしまう。どうせABUだから改造するだろうし。なので、今のところは、「好きに選んで、好みの改造をしてくれ!」ということにしておこう。
あと、PFJの正規品じゃなくて直輸入で買ってしまう変態さん向けには、QuantumのCABO PT30/31が価格帯で一致しているので、ついでに比較してみる。
New Recordの優位点は、
一方のQuantumは、
Quantum最大の弱点であるドラグを考慮すれば、やはりNew Recordという選択になる。だが、「管理人みたいな変態ライギャーになりたいのなら、断固としてQuantumを選択すべし!」と声を大にして、いや、フォントを大きくして、今回の検証を終わりにしたい。実際の使い勝手は、クラッチ以外はQuantumなのだから・・・
今回はキャンセル、PFJがデタラメばっかりだからね(2007/3/13更新)
おまけ
New Recordの純正BBコグホイールなのだが、B-Trapが使えないシャフトタイプのウルトラキャスト系ABUに組んでみる。これで上手くいくのなら、改造パーツの選択肢が増すというものだ。ということで、UC6501Cハイスピードウインチプラスの出番、UCファンは心して見るべし!?
今日の実験台、左から6501CHWP純正、New Record純正、B-Trapの順番
New Record純正はカッターで切って外しているよね。なので、更に平らにしておかないと余計な摩擦が増えてしまうのだ。
一応、2000番まで使ってみた
この状態で組んで指で回してみるが、うーん、ノーマルの方が明らかに回るぞ・・・。なので、形状を比較してみる。
左がNew Record純正で右が6501CHWP
違いは面取りの有無だね。なので、面取りしを施してみよう。
超硬カッターを手で回して削る
それじゃぁ、面取り加工も終わったことだし、もう一回組んで回してみるのだ。
これも左から6501CHWP純正、New Record純正、B-Trapの順番
さて、指で回してみた順位なのだが、6501CHWP純正=New Record純正>B-Trapという結果に終わってしまった。これだとあまり意味がない気がする。だって、ボールベアリングを入れるのは飾りじゃない、純正を上回ってこそBBコグホイール化の価値があるに決まってるもんね。
ちなみに、New Recordに組んでみた場合の順番は、New Record純正>B-Trap>6501CHWP純正だ。明らかに加工後の方が回ってる感じがする。ちょっと音は大きくなったけどね。なので、「プチ改造済み」ということでお返しすることにしよう・・・
ということで、なかなか上手くいかないのである。このネタは次回以降の検討課題、UCファンはお楽しみに!