これまで何本かアップしてきた中で、グリップだけはあまり紹介できていなかった。もちろん接着作業なので撮影している余裕がない、というのもある。だけど、出来るだけ紹介していこう。

まずはリールシートだ。通常のビルドであればリールシートを加工する必要は一切無いのだが、今回は2点ほど、KDPSナットの小細工と、トリガーの加工を施してやろう。どんなことをするかというと、

18ナット
DPS-SD18ナットをフードとナットに分解する
寸法にバラツキがあるので分解しにくい場合はフードを壊すか、ドライバーでコジる
今回は後者だったのでちょっとキズ物になっちゃった・・・

突っ込む
KDPS16にバラしたナットを突っ込んでやるとこんな感じ

切断
KDPS16をナットに合わせて切断してやる
ネジはフードから10mmほどなので、それ以上あれば問題ないだろう

マスキング
接着がはみ出たらヤバい所にマスキングテープで保護してやる
ピンぼけなのは愛嬌だね


ロングナット完成
接着剤が硬化したら、純正加工流用ロングナットの完成!

16や17のリールシートにはロングナットが存在しないのは「2ピース・カムルチィ」編で述べている。16はロープロファイルのリールだと、ナットがかなりレベルワインドに接近してしまってメチャクチャ締めにくく、径も小さいので力も入れにくい。これが17だと大きさ&長さがあるのであまり不自由しないのだが、というワケでお手軽&お気楽ロングナットを作成してみた。ただ、メッキだとこんなの必要ないに決まっているのだが、これはもちろんライギョ竿の先行試作だ。そのうち、KDPS16や17をロングナットにしてしまうメタルパーツなんてのも・・・。旋盤で削ってローレット切ってアルマイト処理すりゃいいからね。ただ、画像の通りこのままだとネジ部が短いのでリールが取り付けできない。なので、スペーサーリングというメタルパーツが必要になる。

スペーサーリング
スペーサーを仮付けしてリールが取り付けできるか試そう
無理だったらスレッド巻きスペーサーで誤魔化そう

プレッソ CABO PT 5001C改
プレッソだけじゃなくQuantumや5001C改でもOKだ
これならライギョ竿でも使えるよね

どうやらライギャーリールでも大丈夫だ。しかし、16のリールシートって内径15mmなのだが、そんな細い竿って「Falco」のブランクぐらいか・・・

ちょっと脱線してしまったが、作業を進める。次はトリガーなしの「ネオ変態リールシート」の作成だ。「秋水」では紹介しなかったので・・・

準備
だいたいの切断位置にマスキングテープしておく

切断後
金切りノコでトリガーを切断してしまう

ヤスったあと
ヤスリでいらない部分を削る

加工完了
サンドペーパーで仕上げて「ネオ変態リールシート」の完成
白っぽいのは、ペーパーを掛けたらこうなってしまうのだ
使っていたら手垢で気にならなくなるぞ!

本当ならこのあと塗装してしまった方がいい。ペーパー掛けすると白っぽくなってしまうし、塗装前にはペーパー掛けするから。ただ、管理人は液体のコントロールがニガ手なので塗装はしないよ。どうせ塗装したって剥げてくるからね。

今度はグリップの準備、EVAの加工とアーバーの径合わせだ。

EVA切断
いつもの通りテープ巻きしてから切断する

切断面
回しながら切っているので痕が付いている
ちょっとわかりづらいかなぁ

ペーパー掛け
切断面をペーパー掛けしてさらえてやる
またピンぼけやねん・・・

径合わせのアーバーは2箇所使う。ブランクタッチのリールシートはネジ部の内径が15mmなのでここに1コと、バットエンドにもう1コ使う。ただ、今回は撮影し忘れている、ゴメンな。気になるのなら「Falco」編でも見てね。誰も気にせんだろうが・・・。注意点を一つ追加、アーバーをコルクリーマーで内径加工したあと、アーバーにリーマーの砥粒が食い込んでいることがあるので気をつけよう。こんなことになっちゃうもんね〜♪

こんなことなっちゃう
うーん、スレッド巻きで隠したらええやんか!

ちなみにバットエンド部は、フジのニューコンセプトバランサーEWBCをそのまま使った。このあたりにも手抜きが感じられる。ライギョ竿とは気合いの入り方が違うのだろうか・・・

パーツが全部揃ったら接着しよう。今回は90分硬化型やフレックスコートの「G4」ではなく、5分硬化型を使った。コニシボンドの「クイック5」ってヤツ。メッキだから5分硬化型でも問題ないと思うよ。剥がれたら、また接着したらええやん!

リアグリップからね
ブランクにテープを巻いてカサ上げする
バットエンドはバランサーEWBCだ

接着剤塗り塗り
コッテリ塗ってもいいよ
はみ出たらアルコールでふきとりゃいいから

テープで固定だ
はみ出た接着剤をキレイにしたらテープで固定してやる
5分硬化型だと時間との戦いだ!

リールシートの接着はスパイン位置に気をつけること。ただ、90度スパイラルだとちょっと悩んでしまう。トップガイド基準がいいのか、それともリールシート基準か、どうなんだろう?って誰も知らんやんか。2ピースの「Salamander」の場合、ティップセクションはトップガイド基準、バットセクションはリールシート基準にしている。が、「Shooting Star」は完全1ピースなのでそんな都合のいいことができない。今回はリールシート基準でスパインを正方向に取り付けることにした。(ちなみにスパイン位置って諸説色々あるので、そのあたりは改めて紹介したいと思っている)

リールシート部
リアシートリング、リールシート、スペーサーリングを同時に接着する
リールシート部はブランクが見えている近傍だけがブランクと径が合っている
なので、いらないところに接着剤を塗っても無駄なだけ

フロントグリップ
リールシート部の次はフロントグリップだ
これもテープでカサ上げすればいい
珍しくワインディングチェックはピッタリ合っていた

フロントの接着
フロントもリア同様はみ出しを拭き取り後テープで固定だ
何度も言うようだが5分硬化は時間との勝負ぞ!

全てのパーツを接着後、しばらく放置すればグリップ編は完了だ。とりあえず、「Salamander」と並べてみよう。

並べてみる
「Salamander」よりは普通の竿って感じかな?
ネオ変態グリップは仕方がない、メッキ殺シリーズのウリだから・・・

軽快な操作をイメージするメッキ竿としては、EVAグリップがちょっと太い。直径29mmやからなぁ、って旋盤で削ればいいだけなのにね。実は工場長が旋盤で仕事していたのだったりする・・・。ロングナットも軽快さとはかけ離れているから、これだとバスロッドっぽい雰囲気だ。ほんなら、こんなことだって・・・

変態コンビその1
永遠の恋人同士ってこんな感じなの?

「TD変態グリッピングレフト」と「ネオ変態グリッピングコンセプト」との永遠のコラボレーション!変態同士だから相性もバッチリなのだ。いや、今のところTD変態グリッピングレフトを最大限生かすのならネオ変態グリップが最適だと思う。冗談じゃなくて本気で。ところで、懸案のナット部はこんな感じになった。

変態ナット
結構余裕があるとは思う
ちょっとピンぼけ気味なのは、もう、どうでもいいだろう

これだとイイ感じでナットを締められるぞ。少なくとも標準ナットよりも全然OKだ。やはり、生まれも育ちもバスロッドだったのかも知れない。完成したらこの組み合わせでバス釣りに行こうね!指さして笑われること請け合いだぞ!!

かなり脱線しつつも、次はラッピング編だ。シングルラップだから仕事が早いぞ!(2006/11/4更新)

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