「じゃぁ、歴史編に行く前に、一つだけ質問させてねっ」
「何の質問?」
「Gamくんって、普段の会話だと『ワシ』って言うじゃん、なんで、ファイナルダムンだと『ウチ』になるのっ?」
「それか、『ラムちゃん』が正解やな」
「ラムちゃん?」
「なんや、『うる星やつら』知らんのか」
「知ってるけどっ、『ウチ』って女の人が使う言葉じゃん」
「結局なぁ、『ワシ』とか『俺』やと態度でかすぎるやん、まぁ、照れ隠しで『ラムちゃん』やな」
「なんか、良くわかんないねっ」
「ギャップや、ギャップな、まぁええやんけ、それより、ウチからもミキに聞いてええか?」
「うん、いいよっ」
「ミキは、ミキと違うやろ?」
「はぁっ?意味わかんないっ」
「芸名がミキで、本名はミキと違うやんけ」
「ミキは芸人なんかじゃないよっ!」
「あれ?お笑い系やろ(笑)」
「そんなの違うに決まってるじゃん、本当はねっ、ミズキが正解なのだっ、でも、小さい頃からミズキって名前が嫌いだったから、みんなにミキって呼んでもらってた」
「なんでなん?」
「だって、『水着』ってからかわれるんだもんっ、漢字はもっと意味わかんないし」
「ややこしかったっけ?『水着』ちゃん(笑)」
「もう〜っ!・・・おじいちゃんがつけたらしいんだけど、瑞穂の『瑞』にお空の『雪』と書いて、『瑞雪』でミズキって読ませるんだって、意味わかんないじゃん」
「・・・」
「それに、『瑞雪』という言葉の意味が本当にわかる人が現れたら、その人は瑞雪を幸せにできるだろうって、おじいちゃんが言ってたみたいなの」
「・・・」
「お父さんも意味までは聞かされなかったって言うし、いろんな人に聞いても、誰もわかんないの」
「おじいさんは?」
「ミキが生まれてすぐに死んじゃった」
「あのな、ウチは『瑞雪』の意味わかるぞ」
「えっ!」
「それはなぁ、空母『瑞鶴』と駆逐艦『雪風』のことや」
「あ〜っ、また変なこと言って!真剣に聞いてたのにっ!」
「ミキ、人の話は最後まで聞け、『瑞鶴』も『雪風』もな、数々の海戦をくぐり抜けた『幸運艦』って言われてたんや」
「・・・」
「僚艦が沈んでも撃沈されずにな、『瑞鶴』は残念ながら沈んでしもたけど、『雪風』は大東亜戦争を生きぬいたんや」
「・・・」
「それもな、『瑞鶴』は空母やから主力艦やし、『雪風』は駆逐艦やけど『ソロモン』やら『レイテ』とか『大和・最後の出撃』とか、沈んでも不思議やない激戦ばっかりやったんやで」
「じゃぁ、幸せになれるって、そういう意味なんだっ」
「最後まで聞けって、他の艦から見たら『不幸を呼ぶ艦』やぞ、なんせ自分は沈まんと僚艦ばっかり沈んでるし、『雪風』に至っては、護衛してた『金剛』や『信濃』、『大和』まで沈んでるしな」
「それじゃぁミキは『不幸を呼ぶ女』じゃん!Gamくん、本当に怒るよっ!」
「あのなぁ、同じ事何回も言わすなって、たとえ不幸を呼ぶんやったとしてもな、それ理解して、なおかつそれでも真剣に想い、真剣に接してくれる、そんな人やからミキを幸せにできるんと違うか?そういう意味やと思うぞ」
「・・・」
「・・・」
「Gamくんがわかってくれるなら、ミキは・・・」
「ちょっと待てや、なんで自分が不幸になってまでヒトを幸せにせなあかんのや?ウチはそんなに優しくないぞ、それにな、おじいさんの考えた意味とは違うかも知れんやんけ、だいたい不幸なこと考えて名前つけるワケないやん」
「ううん、たぶんGamくんの言った通りだと思う、ありがとう」
「・・・」
「・・・」
「ええ名前やな、ミズキ」
「へへっ、そうかなっ、でも、ミキでいいよっ」
「次のライギョ竿は『瑞雪(ずいせつ)蛇頭殺』やなぁ」
「それはちょっと、・・・でもまぁ、いいかなっ♪」
「ホンマにええんか?カムルチィのヌメリと血ィでドロドロや、めっちゃ臭いんやぞ!(大爆笑)」
「もう〜っ、最低っ!」
「・・・」
「・・・」
「余談ばっかりで本編なくなってしもたなぁ、休憩しよ」
「うん、そうだねっ」
これじゃぁ便所の落書きやん!今度は本当に歴史編!