悪魔の超ヘビカバ計画「Law The Jungle」もいよいよ佳境に入ったものの、何せ肝心のカムルチィが釣れない。投げるばかりじゃなく、釣れんことには結果を報告しようにも処置がないので、ちょっと一休み。フライライギャーのデータ取りと、タイワンドジョウの実釣を兼ねて「野獣死すべし第1部・ライヒー編」を実施だ。

ライヒーこと、タイワンドジョウという魚について少し。

ライギャーの対象魚としては圧倒的に少ないのではないだろうか?サイズが小さいのがまず一つめ。生息域が限られているのがその次かな。世間一般では「ライギョ」や「雷魚」といえば、やはりカムルチィのことだと思う。学術的には鰭の軟条数がどうとかあるみたいだけど、ルアーの対象魚としてみた場合にはその大きさに絞っていい?かたやメーターオーバーで、もう一方は50〜60cmくらいか?最大でどのくらいまで成長するかは知らないし、釣った魚を測ってもいないから断言すらできない。誰でもそう、やはり大きい魚を釣りたいから、「そんなん真剣に狙ったってしゃあないやん」という感じなのかなと思う。

生息域については、「和歌山県、兵庫県、香川県、沖縄県の4県で分布している」というのが通説だ。47都道府県中わずかに4県、カムルチィに比べてはるかに少ないこと。そんな魚なので、タイワンドジョウを釣ったことがない方も大勢いることだろう。まぁ、この通説というのはあくまで通説にしか過ぎない。実際には4県以外でも、密かな楽しみとしてタイワンドジョウを釣っている方もいると思う。管理人本人がそうなのだから。とにかく、日本で初めてタイワンドジョウが導入されたのは、他でもない、大阪だからね。エライ学者さんはもっとフィールドワークをしたらどうかな?でも、ライギャーって非協力的だから・・・

今までにタイワンドジョウは結構釣ったが、速い動きのルアーに対する反応はカムルチィよりいい、と勝手に思っている。南方系だから情熱的?などいうのはベタな話だ。もちろんコンディションにもよるし、カムルチィでも回収中のカエルにアタック、というシチュエーションもある。でも、オープンエリアで浮いている魚に対して、意図的に速い動きでカエルを通過させた場合に反応がいいのはタイワンドジョウの方だと思う。あと、小さいくせにアタックもイイ感じだ。「ばふぅ」という感じではなくて、カン高い「パッコーン!」といい音をさせてバイトしてくれる。これはこれで面白いと思うぞ。スッポ抜けが多いのはカムルチィと同様なのだが・・・

また長くなってしまったが、管理人は「カバーでカムルチィを釣るのが好き」なのではなく、「ライギョという魚を釣るのが好き」なのだ。だから、カバーゲームに対するコダワリも人より少ないだろうし、日本第3のライギョ「コウタイ」も釣りたいなぁと思っているし。

本題に戻す。前回、カバーブチ抜きフライライギャー作戦の検証を机上で実施した。でも、実戦というのは思いがけないコトが待ち受けているのだ。フライについては超弩級の素人なので何が起こるのか全く見えてこない。その不安をできるだけ解消すべく、タイワンドジョウで実験してみる。もちろん失敗が許されないのはタイワンドジョウでも一緒だ。

管理人がタイワンドジョウと遊んでいるのはこんなポイントだ。

全面ハス
うげっ、ここも水面見えへんやんか・・・

全面ハスのヘビーカバーだ。しかも、この時期なのでもちろんハスは立ちまくっている。この池の面積にして95%くらいはハスで埋め尽くされているのではないだろうか。これを見て、ハス・マニアならヨダレどころかカウパーさえ垂れ流しているかもしれないね。

この池にはカムルチィはいない。タイワンドジョウとナマズ、わずかにバスがいる。後はコイとフナ、珍しいところではモクズガニなんてのもいた。なので、カムルチィで使うハス用のヘビーカバーシステムは全く必要なく、手持ちのフライタックルで釣りになる。ハスが立ってしまったらエッジ周りとオープンエリアを狙うしかないのだから。

ここの池は全面護岸なので岸には画像のようなオープンエリアが点在している。エッジまでは遠くても15mなので管理人でも投げれるだろう。あと、護岸の上からの投げ下ろしなのでバックスペースも存在する。前回に検証したロケーションとしては合格だね。

次にタックルの紹介だ。

まずはフライロッド。今回は9ft・15番の殺人的フライロッド「Folgore」だ。折れた10番ロッドでも良かったのだが、「Folgore」でまだ魚を釣ったことがないので試してみたかった。あと、いくらタイワンドジョウとはいえ相手は全面ハスのヘビーカバー、失敗は許されないので硬い竿を使うことにした。それにしてもこの竿は疲れる。神雷2号蛇頭殺とソルティガZの組み合わせよりも、さらに体力と根性が必要だ。お蔵入り確定だね。

フライリールは「Folgore」編で紹介している巨大なリールじゃなく、10番ロッド用に仕入れたOrvisの「MACH V」というのを使った。

Orvis MACH V
フライリールって高過ぎ・・・

良いのか悪いのかは知らない。アルミの削り出しだからね、こんなの。とりあえず軽いのと、ラインキャパがいらないのが選択理由。ソルトフライフィッシングって糸を出す釣りだと思うけど、ライギャーは糸を出さないから。このリールに14番のフライライン・WF14Fを巻く。リーダーはナイロン50ポンド+30ポンドの自家製テーパーリーダーに、ティペットにはよつあみの「ワイヤート」を使う。元々石鯛用なのだが、歯のことを考えての採用だ。この辺はフライフィッシング的発想なのかな?ただ、これって2005年にオープンでカムルチィを釣った時のラインシステムそのままなので、カバーブチ抜き作戦時では見直す必要があるのは当然のことだ。ちなみにフライとティペットの結束は、ライギャーらしくハワイアンフックだ。

フライについてはこんなのを使っている。

お手軽フライ
フライパターンなどどいう仰々しいものは無い

これは2005年にカムルチィを初めて釣ったフライだ。管理人の十八番、シングルフックwithナイロンガードとカルティバ・シングルフックなのでカバーブチ抜きでも問題なく使えるだろう。一見、マトモそうなフライに見える。が、実は手を抜きまくっている。バス釣りで使うラビットゾンカーをそのままシングルフックに巻いただけのお手軽フライだ。フライタイイングなんか知らないぞ。そんなのは実用上問題ないからどうでもいい。種類としては沈むのでストリーマーかな?違うと思うが、よくわからない・・・

実はもう一つ用意している、というか使えそうな面白いのがある。

ゲジゲジ
出た、必殺・ゲジゲジ!

スナッグプルーフの「Hellgrammite」だ。ヘルグラマイトって読むらしい。ヘビトンボの幼虫のイミテートだが、どう考えてもゲジゲジにしか見えないだろう。旧ファイナルダムン掲示板と、相互リンクさせていただいている、しんやっちさんの「ロッドとリールに命をそそぐ」掲示板でちょっと遊んでいたので、もしかすると覚えている記憶力のいい方もいるのかな?3gしかない中空ルアーを普通のライギョタックルで投げるのは事実上不可能だし、スピニングライギャーでも無理っぽい。しかし、ヘビーソルト用のフライタックルならいけるだろう、というのが今のところの憶測だ。もちろんライギャーらしくスナッグの中空ルアーを使う、というのもポイントが高い。ちなみにこれも沈む。

さて、それでは実際に釣ってみよう。

エッジ周りを丹念に探るカムルチィ的な釣りよりも、泳いでいる魚を狙って投げた方が手っ取り早くていい。使うフライが沈むので、表層を早引きするか、アンダー狙いで泡を見て合わせるかのどちらかだ。

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早速見つけた!

まずはラビットゾンカーで!

「うりゃっ!」(投げる)

「ボチャッ」(全然違うところに着水・・・)

「くそー!」

次、見つけた!

「どりゃ!」(投げる)

「バチャ」(全然届かん・・・)

「うぅぅぅー!」

暫く見えない・・・

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おっ、見つけた!

「おりゃっ!」(投げる)

「ポチャ」(珍しくいいトコに)

早引き、早引き・・・

「シカトかぁ〜!」

ゲジゲジにチェンジ!

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もう一匹みっけた!

「わりゃっ!」(投げる)

「バチャ」(まあまあなトコに)

アンダー作戦実施!(目の前で沈ませる)

「ジュワワワ・・・」(泡が出た!)

「バシュッ」(合わせた)

スッポ抜け・・・

「うわ〜ん、釣れへん・・・」(涙)

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とにかく弩素人には難しいのである。これがゴブリンを使ったのなら、見つけた魚の半数は大げさだが、結構釣れていただろう。

そんな中、何とか釣れたので結果報告だ

ライヒー釣ったで
これはゲジゲジで釣った
ヘビーソルトのフライロッドにタイワンドジョウって全然あわへんなぁ

それでは、いつもの気付点を

とにかくヘタクソ過ぎるのだ。ベテランのフライフィッシャーならもっと釣れていただろうね。リールはこれでいいと思う。竿とラインシステム、フライは大幅に見直す必要を感じている。今シーズンの現場検証は一応これで終了にしたい。あとは練習が必要だね。

次回はロッドビルド編?それともラインシステム編?(2006/7/29実験&7/30更新)

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おまけ

カムルチィじゃなくってタイワンドジョウの稚魚ボールって意外にも見たことなかった。なので、アップしておきます。

稚魚ボール
コイツを狙えば確実にアタックしてくれるだろうが・・・

稚魚ボールの真ん中下あたりと右上に黒い影が見えると思います。この2匹が稚魚ボールの管理人?みたいでした。やはり、カムルチィに比べると時期が遅いのかな?