とうとうカムルチィシーズンに突入したにもかかわらず、相変わらず「ちんたらちんたら」でなかなか作業の進まない管理人。ホンマにやる気あるんかいな?使う気あるんかいな??なんて疑問もちらほら浮かんでくる今日この頃だけど、半年以上経過した「カバーブチ抜きバンブーカムルチィ作戦」もようやく一段落つきそうである。竿が完成、ってことね。まぁ、能書きはどうでもいいから話しを進めるわ。
前回は可変バランサーを仕込むところまで進んだが、今度はグリップ周りを攻めてみる。で、前回にちょっとだけ画像をアップしてるけど、クラシカルスタイルを標榜する以上は天然素材を採用することになり、もっともオーソドックスなコルクグリップを採用している。ただ、このコルクグリップにはちょっとやっかいな問題があって、ライギョ竿のリアグリップに使うような長い目のコルクだと、結構な値段になってしまう。釣り工房マタギのカタログからピックアップしてみるけど、長さ38cm、外径28mm、内径13mmのコルク材で税込み3724円と、EVA材の3倍以上だからね。あと、カーボンパイプが太いから内径を拡大する必要があるけど、これだけ長いコルクの穴をまっすぐに拡大する、ってのも結構手間がかかる、難易度の高い作業だと思う。コルクの内径拡大作業にはコルクリーマー、なんて道具を使うけど、コルクリーマーはテーパーのついているブランク用にコルクを加工することを前提に考えられているから、テーパーのない任意の穴径に拡大するのには不向きだと思う。
さて、それじゃぁどうする?それはこんな感じで・・・
これもコルクだからね
これはコルクリングだ。通常のコルクグリップだとこのコルクリングを貼り合わせて任意の長さにしている。今回は原始的手法とでも言うのか、出来合いのコルクグリップじゃなくてコルクリングを貼り合わせてグリップにしてしまおう。これだと短いと穴あけ加工の回数は多くなるが、手作業の誤差、とでも言うのか、多少ずれてもある程度修正が効くだろう。で、穴あけしたコルクリングを貼り合わせ、さらに加圧して接着すればいい・・・
木で挟んでネジを締めて加圧するぞ
そして接着剤が硬化すれば加圧用の治具を外すのだが、
かなりガタガタやん?
このように、いくら短いからと言っても1個1個を穴あけしているのと、コルクリング自体のバラツキ、ってのもあって不揃いな状態なのだ。なので、この状態からさらに削ってあげよう。
この辺、いつも通りだね
管理人は無条件でオモチャ旋盤を使ってペーパー掛けしている。やはり、オモチャとは言うものの、役に立つものである。そして加工後の状況だけど、
ピンぼけ?
単純にストレート形状にしてもおもしろくないので、真ん中の部分をちょっと細くしてみた。ぱっと見ではいい感じだと思う。だけど、それはインターネットだからであって、現品を見たら笑えると思う。貧乏性の管理人は安いグレードのコルクリングを採用したものだから、結構凹みが目立つのである。となれば以前に特殊攻撃雷魚竿「橘花・蛇頭殺」でも紹介した、コルクパテを凹みを埋めてやろう。
今回は2色混ぜて使うからね
「橘花蛇頭殺」は市販品のコルクパテを使ったけど、今回はこれも貧乏性、セメンダインの「木工パテA」で試してみる。値段と量が市販品よりも桁外れでリーズナブルだから。で、使ってみた結果・・・
最悪・・・
真ん中の色が違う部分が修正箇所。コルクがかなり凹んでしまっていたので、必然的にめっちゃ修正する必要があり、結果、めっちゃみっともないカッコになってしまっている。やはり、ケチって安いコルクリングを採用したのが間違いの元、ってことにしておく。質のいいコルクリングは凹みも少ないから。あと、木工パテAについて言えば色合わせの面でちょっといい感じがしなかった。大昔のビルド教本みたく、コルクの削った粉を木工用ボンドで練ったペーストの方がいいのかも知れない。今後の課題だろう。今回はコルクの粉がこんなのだからあきらめて次回だね。
もう、ぐっちゃぐちゃ・・・
そう、木工旋盤じゃなくって一応は金属加工用の旋盤だから、チタンやらベリリウム銅に銅タングステン合金、それに炭素繊維や切削油がぐっちゃぐちゃに混ざってしまっている。こりゃ使えん・・・
コルクグリップの作成がすんだらあとはリールシートやら構成部品を接着すればいいのだが、このリールシートを手直しする必要があった。予想外の展開ってヤツだ。
わかるかなぁ・・・
今回採用したLakelandのリールシート、「Fish to Flower」の魚花さんからリールシートの締め加減について質問があったのだが、フードとフットにすきまがあってかなり締め付けをきつくしてあげる必要があったのと、そうすると今度はすきまのおかげでフードが斜めになってしまいリールを外すのに相当な力が必要だった。なので、このすきまをなくしてフードが傾かないように追加工してあげよう。
先の可変バランサーで分解したDPS-17リールシートで余剰になったフードを準備する。
廃品利用、無駄なく使うぞ?
樹脂の部分を削って、すきまを埋めるようなスペーサーを作ってあげる。
一応、前後作ってみた
形状が違うのはもちろん管理人が適当な人だからね
次は接着だね。
いらないフットをバラして挟み込んで接着だ
硬化したら実際にリールを取り付けてみよう。
なぜ?右ハンドル・・・
これはミリオネア3H、「ミリ逆」用やけど
結局、固定側フードはスペーサーを入れる必要はなく、可動側、画像だと右側のみスペーサーを挿入している。画像だとはみ出したスペーサーは修正済みだから見にくいけど、これを入れるだけでもリールの脱着は楽になった。なので、目的達成だね。
実はもう一つ修正箇所がある。画像を見てもらうけど、
何を修正?
えーっと、真ん中のカーボンパイプと外側のリールシートの間にもすきまがあって、本来はウッドスペーサー作成時にすきまを計算して木を削るはずなのだが、何せ、初めてのことばかりだから全く想定していなかった。このまま使うのもちょっと不安な感じなので、ここのすきまも埋めてあげることにする。一応、市販品でこんなのもあるけど・・・
市販のスリーブだね
ガラスブッシュなる部品だけど、このスリーブをすきまにつっこんであげればいい、最初はそう思った。でも今回は却下だ。それはと言うと・・・
厚みに注目してね
何が言いたい?矢印を見てほしいけど、肉厚が違うのがわかると思う。要するに、最初から振れてる、センターが出ていない、ってことだ。これがすきまの大きい箇所に使うのであればあまり気にしないけど、今回の場合はそんなに余裕がないから却下だ。なので、自作することになってしまった・・・
外形20mmのカーボンパイプから削り出し
これなら振れてないと思うが・・・
そして、完成した自作削り出しカーボンブッシュを突っ込んでみると、
いい感じだと思うぞ
先の画像とは大違い、これなら問題ないだろう。
今度は完成したグリップにバットセクションを突っ込む。まず、フロントグリップを加工してあげる。
余剰在庫のコルクグリップだ
ここは余剰在庫一掃、ってことで余剰品のコルクグリップを採用する。ブランクにコルクグリップを接着したのち形状を整えてあげる。それからバットセクション突っ込んで接着するのだが、今回はこんな感じで接着してみた。
これもわかりにくそう
フツーに接着して水平に置いてもいいとは思うけど、下から圧力を加えた方が確実に接着できそうに思えたので、こんな感じでやってみた。ちなみに加圧しているのは・・・
日産マーチR純正なのだ!
工作室に転がっていた車載のジャッキを使っている。20年近く前の車載ジャッキだけど、管理人、物持ちのすごくいい人だからね。そして硬化後にワインディングチェックを接着すればようやくグリップ作成が完了だ。
今回は汚れ防止で熱収縮チューブを使ってみた
どう見てもスピニングのグリップとしか見えないよね。要求項目である、クラシカルスタイル、ってのは達成していると思う。それも奇跡?の可変バランサー仕様でのお話しだから。あと、写真写りがいいだけで、実際にはもっといい加減なのは言うまでもなかったりする・・・
次回はいよいよバンブーカムルチィの最終回、せやけどマジで大丈夫なん???(2008/6/6更新)