究極のヘビーカバーロッド編
現在ソルティガZは、リファインすべく色々と構想を練っている。その間にヘビーカバー用の竿を再検討してみる。
2005年まで、管理人はヘビーカバー用として「神雷ロッド」という、オリジナルGTロッドをスピニングレイアウトのままで使っていた。たまに、同じブランクから組んだ「神雷二号蛇頭殺」なるベイトロッドも使っていたが、初代神雷の方がバランスがいいのと、2号にバランサーを取り付けるのも何だかかったるくて現在に至っている。ハッキリ言ってアシ・ガマ系カバーでもストレスなく使えるだけのパワーがあるので別に不安はない。硬さだけなら、ライギョ用に改造しようとして購入したバレーヒルのGTロッド「元祖カマジャ83」さえも凌ぐ。
ところで、最近のライギョ竿のトレンドは「軽量ライギョ竿」のように思える。リールシートもTCS17〜18といったバス用の大型シートが主流で、今までのヘビーなTDPS20を採用した竿はあまり見かけなくなってしまった。管理人も軽量ライギョ竿+アンタレス5の組み合わせはお気に入りなのだが、ここまで軽量、軽量と宣伝されるとちょっとイヤな感じ。生まれついてのひねくれ者だから、敢えてこのご時世にメチャクチャハードな竿を作ってみたくなったのだ。とにかくガッチガチの、それこそ棒みたいなオーバーパワーな竿を。
上がTDPS20で下がTCS17、あまり変わらなく見えるのはご愛敬・・・
とりあえず神雷ロッドのブランクを買った「釣り工房マタギ」に行く。目的はもちろんライギョ竿に使うブランクを購入するため。
ところで、神雷ロッドのブランクとそれ以外のラインナップをカタログから拝借するとこんな感じだ。
MODEL
|
全長
|
ライン
|
ルアー
|
アクション
|
ティップ径(mm)
|
バット径(mm)
|
グリップブランク外径(mm)
|
グリップブランク長(mm)
|
重量(g)
|
パワー
|
価格
|
GRID TAIL 86H |
8'6" |
50lb |
150g |
MOD-FAST |
3.4 |
- |
18.7 |
780 |
207 |
H |
\22,050 |
GRID TAIL 86XH |
8'6" |
60lb |
200g |
MOD-FAST |
3.6 |
- |
19.0 |
780 |
220 |
XH
|
\23,100 |
GRID TAIL-K 7.7XH |
7'7" |
80lb |
MAX250g |
MOD-FAST |
4.4 |
16.5 |
19.0 |
780 |
210 |
XH |
\19,950 |
GRID TAIL-K 8.2H |
8'2" |
70lb |
MAX200g |
MOD-FAST |
4.1 |
16.0 |
19.0 |
780 |
230 |
H |
\22,050 |
この中で神雷ロッドに使ったブランクは、一番ライトな「GRID TAIL 86H」だ。実はさらにライトなブランクがラインナップされていたのだが廃盤になっている。一般的なライギョ竿としてはそちらの方が良かったと思う。これもまた残念。下の二つ、-Kがつくモデルはバットからミドルセクションにかけてアラミドケブラー?の補強が入っている。(実のところケブラーのメリットって何だろうか?炭素繊維よりは軽いが弾性率は低いので、何かがあるのだと思う。現在調査中なので、改めて炭素繊維の稿で述べたいと思う)
注目したいのはラインクラス。パワー表示が同じHでもケブラーありとなしで随分と違っている。ティップ径がこれだけ違うとかなりのパワー差になるように感じる。
86H以外ならどれを選択しても間違いではないだろう。86Hですら、すでにハイパワーなのだから。で、実際全てのブランクを触って曲げてみた結果(カタログショッピングでなく、実際のブランクを触れるのは大いなるメリットだね)、今回は最強のパワーを誇る「GRID TAIL-K 7.7XH」を選択した。7フィート7インチという長さはライギャーなら誰もが思い浮かべるだろう、あの「GUNGUN77・Heaviest lifter」と同じ長さだ。しかもヘビーカバー用とくればキャラクターはかぶることになり、必然として比較してみたくなる。オークションか何かで手に入れよう。
黄色いケブラーで補強されているのが確認できると思う。上はバットパイプだ。
ブランク以外の構成部品、これについても独自の構想により選択している。
基本的な考え方は「神雷ロッド」の項目ですでに述べているが、「オーバーパワーのブランクでガイド数を減らす、リールシートはトリガー無し」だ。意図しない形で生まれたこのコンセプトを、意識的にさらに進化発展させよう。
ガイド配列はバットガイド2個をLCSG、ティップ部はMNSGのコンビネーション、もちろんステンレスフレームを採用する。特に一番手前はハイフレームのLCSG20だ。ハイフレームバットガイドと言えばホッツの「シャドウライズ」を思い浮かべることだろう。ガイドセンターに糸が通るというヤツ。管理人のは少し違うぞ。キャスティング時でのレベルワインド〜バットガイド間で、糸の軌道はアーチを描くようなになる。そこで、高いバットガイド2個でアーチを収束させてティップ部へ導いていくという発想なのだ。(実のところかなりのこじつけで、LCSG20を使っているライギョ竿がないというのが正解だろう)
あと、ガイドの個数だが、ベイトよりもスピニングの方がガイドが少ないのはご存じだと思う。竿の曲がりを成立させるにはスピニング用のガイド数があればOK、ベイトで数が多いのは上向きガイドなので少ないとブランクに当たるから、と勝手に解釈している。であれば、想定しているほどに曲がらないのであればベイトでもスピニングのガイド数で問題ない筈だと。富士工業の「ニューガイドコンセプト」やシマノの「エアロガイドコンセプト」みたいにカッコいい名前を付けようとしたが、「カムルチィ変態ガイドコンセプト」でいいよ、こんなもん。
LCSGはチタンコート、MNSGはガンスモークだ。なぜガンスモークのLCSGを市販しない
リールシートは今回PPS-LD20を使う。本来は船釣りやジギング用のリールシートで、富士工業の「パーミングサポートシステム」トリガーシートだ。キャスティング用ではなく、手持ち釣りの時にパーミングしやすくするコンセプトらしい。で、無論コイツのトリガーを削除する。さしずめ「ネオ変態グリッピングコンセプト」だろうね。ダイワのグリッピングレフトって本来は左専用リールシートがあっての話だったから。
PSS-LD20リールシートのトリガーを削る
あとはバットエンドぐらいかな。富士工業のグラファイトギンバルとギンバルキャップを使う。ギンバルをつけてGTにも使えるようにするのではなく、キャップが取り外しできるのを利用して、何とかギンバル部に可変ウェイトバランサー機能を持たせようと考えている。市販のバランサーって結構高いから。完成すれば未来のライギャー向け2ピースライギョ竿にも採用したい。
ギンバルGC25とギンバルキャップ
名称についてだが、実は帝国陸海軍機で雷にちなむ名前は使い果たしてしまった。仕方がないのでアメリカ・リパブリックのThunderシリーズ戦闘機で何かを考えよう。ケブラー繊維が雷に見えないこともないし。あとはグレートマジンガーの必殺技、サンダーブレークかな。
ぼちぼち組んでいきます。しかし、なんかめっちゃバレやすそうな感じがするし、70アップ程度なら合わせたらフッ飛んできそう。さらに遠投もできそうにもない。結局、軽量ライギョ竿の超ヘビーバージョンだからね。さて、これからどないしようかなぁ。ナイロンショックリーダーでも使おうかな・・・
リールが早いか、竿が先になるか、とにかく確実に次回へと続く。(2006/2/13更新)