近頃、ファイナルダムン掲示板も色々と書き込みが増えてきているので、管理人は素直にうれしいのだ。やはり、書き込みも何もないのってやってても全然面白くない、ブログとかやってる人ならそんな気持ちってわかると思う。で、最近のトピックなのだが、
『あのね、わたし「うるとらまぐ」買ぉてん♪』
ファイナルダムン本編にも度々登場する、ヒミツ姉ちゃんの書き込みだったりする。せやけど、バンタムの次は旧ウルトラマグかぁ。同じコトしてるよね、変態やし・・・
『お願いがあります。
わたしのまぐ、正式名称はなんやろ?
「ULTRAMAG XL PLUS LEFT」
だと思うねんけど、がむちゃんのは「ふりっぴんぐ」って書いてある。』
・・・・・・
どうやらラベルが剥がれてしまって、リールの正体がイマイチ確定できないみたい。確か、日本仕様とそれ以外だと名前が違うだけのはずやぞ。それじゃぁ、書き込もう・・・
『「ULTRA MAG XL PLUS LEFT」=「ULTRA MAG XL FLIPPING LH」でいいと思うよ。』
・・・・・・
『また勉強になりましたぁ(*≧▽≦) ゞ
ほんまにさすがです・・・ありがとぉお♪』
うんうん、よかったやん♪、せやけど・・・
『このリールのワインダーの部分、小さい「バネ仕込みのツメ」が入っているでしょ? あれが壊れたら、どうするんやろ?』
・・・・・・
『海で使いたいねん。 無謀すぎる!?』
姉ちゃん、シーバス狙いやもんなぁ、無謀ちゃうけど、あのレベルワインドは・・・
これ以外にも色々あるみたいやから、マジメに書き込んでおこう。
『バネが効いてる今のうちにフローティングを殺してしまおう。』
(その他色々・・・)
・・・・・・
『さすが兄ぃやね(^ー^* )♪ありがとう☆』
・・・・・・
『あの「小さいバネ」の部品、自作できひんかなぁ・・・ちょっと考えてんねん(*≧▽≦) ゞ』
・・・・・・
うーん、ウチやったらどうにかする自信はあるけど・・・。でも、プラスチックやし、使い込むと結構へたってきそうやからなぁ。まぁ、「フローティング殺す」って発言したウチにも責任あるわ。できんコト言うたらアカンやんか。ほんなら、ウチがフローティングを殺してしまおうかなぁ・・・。
というワケで、今回のお題、「旧ウルトラマグのフローティングレベルワインドを殺してしまえ!」作戦なのだが、ファイナルダムンはライギョ系サイトなので、管理人と同世代なら知ってるとは思うが、フツーは意味が理解できないだろう。なので、ちょっとおさらいしよう。
ABUリールとそのレベルワインドについての変遷ってヤツを少し説明すると、
こんな感じなのだ。1.はお馴染みだから省略するよ。
2.の4600CB、このリールは1979年頃だったと思うが、丸形なのにクラッチを切るとレベルワインドが自動的にセンター位置に移動するらしい。管理人は見たことがないから詳細はわからない。右ハンドルなので眼中にない&めちゃくちゃ高かったリールだったから・・・。ウルトラマグ以前ならCDLシリーズを除くけば一番高かったはず。確か、定価で4万超えていた記憶があるぞ。まぁ、こんな機構を採用したっていうことは、ABUなりに「シンクロレベルワインドのフリクションロス」ってのを考えたんだろうね。やはり、シマノ&ルーのスピードスプールBB-1が眼中にあったのだろうか?
3.の1000&2000はABU初のロープロボディ採用で、コレなんかがシマノの影響をモロに受けたモデルらしいわ・・・。
で、今回のお題である4番目の旧ウルトラマグ、ボディスタイルは1000&2000と同じなのだが、フローティングレベルワインドなんて機構を採用していた。クラッチを切るとレベルワインドのラインガイド部だけ切り離され、スプールから放出されるラインの左右の動きに追従させるようにしたのである。
左がロックされた状態で、右はフリーの状態だ
当時は画期的だったと思う。少なくとも、ガキンちょだった管理人はそう思った。ただ、ABUのフローティングレベルワインドを上回るダイワのゼロフリクションレベルワインド、なんてのが発売されるに至ってはその優位性も薄れてしまい、ゼロレベルワインド共々トラブルも結構あったのだろう、5.の521系以降のロープロボディのリールはノンシンクロに戻ってしまったのである。ちなみに、このフローティング機構が搭載されたモデルはというと、
僅かに4シリーズのみ。右ハンドルは4500番相当〜6500番相当のI〜IIIと、4600番に相当するフリッピング(日本以外はプラス)モデルがフルラインナップ(XLは7000番以上のIV〜VIまであったし、去年行った石垣島の釣具屋さんはエビスじゃなくてオリムピック扱いだけど新品のXL VIが売ってあったぞ!)なのに対して、左ハンドルはXLとXLTのフリッピングモデルだけだった。パーツリストで見る限りは同じモデルでも製造年代によってはフローティングありとなしがあるみたいで、ゼロレベルワインド共々時代の徒花なのだろうね。そういった意味では、何も手を加えずに、指をくわえて眺めていただけのシマノは正解って事になる。だが、管理人はゼロレベルワインドをどうにかして復活させたいと本気で思っている。太PEを使うライギャーリールだと、放出抵抗は細いモノフィラの比じゃないからね。
ところで、管理人が「フローティングを殺す」って発想に至ったのは、もちろん、トラブルを避けるのがその理由だ。これは考えるまでもないだろう。廃止されたのはそれなりの理由があるワケで、トラブル以外だと、コスト的にも合わなかったのかな?とにかく、ヒミツ姉ちゃんはソルトで使用するのだから、バス釣りより条件は悪いに決まっている。で、そのトラブルって何?管理人のリールは現状マトモなので推測になるが、ラインガイド部と駆動部を連結するピン、この辺に問題があったのだと思う。
左がXLで右がXLT、XLTはカシメだね
ピンと穴とのすきまに注目、XLTの方がいい感じやぞ
このラインガイド部はプラスチック製で、ここに金属のピンとバネが入っているのだが、管理人のはピンを受ける部分がちょっとヤバそうなのである。XLの頃は頭を大きくしたピンをそのままブチ込んでいたみたいで、こうなると、頭を受ける部分のヘタリが早そうに思える。これがXLTになると、ピンを挿入してからカシメている様で、このやり方だとまだマシだろう。それ以外だと、ピンの固着&バネのヘタリってのも考えられる。へっこんだままだと連結しないし、突き出したままの場合でも、これも問題があるだろう。
今、このプラスチックの受け部が破損した場合はどうする?一応、E型止め輪か何かでピンを固定するようにすればどうにかなるとは思う。ただ、止め輪の厚み分だけピンの突き出し量が少なくなるから、連結が甘くなることが考えられるよね。それとも、止め輪だと分解できるから、メンテさえすればどうにかなるのかなぁ?・・・
あと、フローティングを殺した事による機能低下の問題、要するに飛距離に対する影響なのだが、いつものパターン同様、実験してケリを付けるのが正しいと思う。でも、どうだろうか?幅の狭い4600番相当のリールだからね。ABUがノンシンクロに戻してるくらいだし、そんなに影響はなかったのと違うやろか?これが「ウルトラマグIIIでカムルチィ!」となれば話は別、フローティングのままで使うことを選択しちゃうけど。
そんなこんなで今のうちにトラブルを未然に防ぐフローティング殺し作戦、管理人が自分のためにやるのなら、例の如くどうにでもするだろう。何てったって変態ライギャー、釣り人とは思えないオーバーテクノロジーの持ち主だ。だが、今回は管理人じゃなくてヒミツ姉ちゃんのことを前提に考えなければいけない、対象は変態釣りキチ委員会なのである。ヒミツ姉ちゃんの技術レベル、ってのを想定する必要があるのだが、ヒミツ姉ちゃんのサイトを見る限り、結構なことやってるのである。ある程度はこなせる、そう認識している。ただ、やはり力技は難しいと思う。管理人は虚弱体質のくせに他の人が「固いからこのネジ外せない」とか言ってるのを平気で外すので、クソ力はあるみたいだから、管理人基準ではダメだろう。そんなことを考えてのこの作戦、何か、頭悪そうやぞ、しかし・・・
それじゃぁ、フローティング殺しってどうするの?管理人的にはこんなコトを考えていたのだが・・・
1.はトータル的には一番難易度が低いと思う。アルミホイール修正用のアルミパテなんてのがあるから、これだとパテの色目も気にしなくてよさそうに思える。でも、元に戻すことができないので却下だね。パテ買うのにもお金がいるけど、ヒミツ姉ちゃん、借金経営らしいからね・・・
2.は作業自体の難易度はめちゃくちゃ低い。ただ、521系や1000&2000シリーズのレベルワインドを入手するのが難しいだろう。運良くヤフオクあたりで出品されていれば、ラッキーだよね。
3.はフローティング殺しとは違うが、メンテナンス性を考慮しつつ、フローティングを生かすってヤツだ。小さい止め輪の入手もそうだが、作業性は悪いから難儀そうだよね。でも、フローティングを生かすのなら、これが最高か?
で、色々考えた中での4番目、現状だとこれが一番かなぁ・・・。丸ABUのレベルワインドだったらどうにでもなりそうだし。で、ヒミツ姉ちゃんがアップしているリールコレクションを見たのだが、初期スタイルの丸いレベルワインドに交換しているのである。やっぱ、オシャレさんやねぇ。ほんなら純正は余っているはずやんか。なので、これに決定!
これ以外だと、リールジャンキーの発想らしく「部品取りにもう1個ウルトラマグをゲットする、いや、521でも1000でもいいけど(笑)」ってのもあるのだが、管理人みたく人生を棒に振る覚悟のある、100%負け組確定の人ならこれをお勧めする。でもなぁ、釣り以外にもやることあると思うぞ。なので、残念だが却下だ・・・
色々述べたがようやく実作業編、まずは分解してみないとお話しにならない。整備性のいいABUリールだけど、一応、ピュアフィッシングのサイトからパーツリストをダウンロードしておこう。
とりあえずハダカにしてみよう
それじゃぁ、次にレベルワインドをジャンクBOXやリールから適当に見繕うのだ。
左から旧ABU、現行6501C、B-Trap、6501CHWP、ミリVの順番だ
そしたら次は適当に組んでみよう。ただ、サムレストの裏側に2本の溝があって、XL純正は後ろ側の溝にレベルワインドがはまるようになっているのだが、丸ABU用は寸法が違うのでそのままではムリ、前側の溝にはまるような位置関係になるのだ。
赤が通常位置で、青は丸ABU用だ
まずはUC6501CHWPのレベルワインドだ。これはワイヤじゃなくてセラミックのリングが入っている。ただ、穴が小さく、太PEを常用するライギャーリールとしてはあまり思わしくなさそうだったので旧ABU用に交換した、その余りだ。
溝にはまってないやん・・・
ちょっと見にくいが、溝にはまってない。なので、残念だけどこれはボツだね。それじゃぁ次は旧ABU用だ。
今度はイケてるぞ!
これもちょっと見にくい?でも、これはちゃんと溝にはまってるのでOK、どうやらワイヤータイプならいけそうだ。そうなると、チタンコーティングのレベルワインドの方が何かとよさそうだよね。B-Trapと6501C純正がそうなのだが、管理人の趣味で6501C純正を採用しよう。でも、ヒミツ姉ちゃんは丸い方趣味なのかなぁ・・・。次に、ツメがはまらなければレベルワインドの意味をなさないから、ツメが組めるのかどうか、穴とパイプの位置関係を確認してみよう。
ちょっとパイプが見えてるよね・・・
おいおい、この画像は旧ABU用やぞ、しかし
微妙だけど、ちょっとパイプと穴位置がずれており、パイプが見えてしまっている。まぁ、とりあえずシャフトとツメを組んでみよう・・・。ツメ?ちょっと待て!重要なことに気がつかなかったぞ。よく考えてみろ、レベルワインド自体は交換して余っていたとしても、ツメとかはそのまま使うから、もしかして、余ってないのと違うか。ウルトラマグと丸ABUはツメとか互換性ないからなぁ・・・。
うーん、どうする?・・・
そのままやってまえ!前進あるのみ!!
そんなワケでめちゃくちゃになってきたのだが、とりあえずシャフトやら何やら組んでみて動きを確かめるのだが、ツメは組める。干渉もしてなさそうだ。なので、この状態で回してみると・・・
サムレストと干渉するのであった・・・
レベルワインドが左右両端に移動できない。サムレストに干渉しているのだ。ということはサムレストをちょっと削ってやればいいのかな?なので、サムレストを外してチェックしてみよう。
出っ張りは削ればいいが・・・
左右の赤で丸をした部分が干渉しているのだ。普通に考えれば出っ張っている部分はヤスリで削ればいい。ヒミツ姉ちゃんも楽勝だと思う。だが、溝が純正より幅方向に狭いので、出っ張りを削っただけではムリなのだ。ならば、どうしようか?・・・
やけどに注意してね!
管理人でも溝をヤスリで追加工するのはちょっと手間なのだ。ここは簡単にハンダごてで溶かしてしまおう。えっ、ヒミツ姉ちゃんってハンダ使えるの?それが全然OK!シャフトレスABUの2ピン遠心プレーキをハンダ付けで6ピンにしようとしてた強者だからね。
こんなコトしたらこて先傷めるぞ・・・
ハンダごての注意点は、熱いからやけどするなよ!というのは当たり前で、本当にハンダ付けする場合もそうなのだが、充分に温度が上がってから作業することだ。ハンダごてで溝加工が済んだらヤスリで修正してあげればいい。溶かしているからそのままでは、あかんと思うぞ。
この辺はだいたいの感覚で行くしかないだろう・・・
加工が済めば組み直してチェックする、ダメならやり直し。これを繰り返せばいい。
・・・・・・
OKが出たのであとは組み立てだ。ただ、フローティングを殺しているので要らない部品があったり、穴が開いていたりするので修正してあげよう。
プッシュロッドが要らないのと、穴を塞ぐ必要がある
四角で囲った部品がサムバーと連動して、レベルワインド駆動部を回転させてラインガイド部を切り離すのだが、まずコイツを外してしまう。これはこの状態からでも外せるので問題はない。次にラインガイド部のシャフトを外したので、赤丸で囲った部分に穴が開いてしまっている。これを塞がないといけないのだが、簡単に塞ぐ方法ってなんやろ?・・・
Oリングだね
これなら簡単だ。適当なサイズのゴムのOリングを切って突っ込んで、そのまま穴を塞げばいいだけだから。
めっちゃ簡単・・・
ゴムだから多少の寸法差はどうでもいいだろう。ただ、やはり管理人は適当な人間なので、本当に適当なサイズのOリングをこれも適当に買ってきたものだから、ちょっと大きすぎたのだった・・・。まぁ、切ればいい、小さい場合は意味がないから、まだマシだと思うよ。
全て終わればあとは組み立てて、ハンドルを回してみて確認するだけだ。うん、全然問題ないぞ、やったね!フローティング殺しも大成功!!
うーん、見た目は微妙すぎる・・・
見た目はともかくとして、信頼性はこれで向上するだろうし、これでソルトでもお構いなしでガンガン使えるよね。作業自体もかなり難易度を下げたつもりなのだが、どうだろうか・・・
ヒミツ姉ちゃん、頑張れよ!ウチは応援してるぞー!!(2007/4/26更新)
旧ウルトラマグの続き・カムルチィチューンStage-1に挑戦!(2007/5/5追加)
おまけ
その1、今回はサムレストを削ったのだが、力技でもOKなのであればレベルワインドを曲げればいい。
いずれも左が曲げ加工済みで右が純正そのままだね
サムレストに干渉するのをクリアするには、ワイヤーの上を狭くすぼめてやればいい。あと、穴位置とパイプがずれていたからちょっと角度と付けてやればOKなのだ。
その2、本来、ヒミツ姉ちゃんの要望はフローティング殺しじゃなくてラインガイド部のピン分解方法なのだ。
『このリールのワインダーの部分、小さい「バネ仕込みのツメ」が入っているでしょ? あれが壊れたら、どうするんやろ? 海で使ったら塩がまわって、結局壊れそうな気すんねん。 分解できるん、あれ?』
ヒミツ姉ちゃんもブログで情報を募ってたみたいだけど、回答は得られなかったようだ。うん、それは当たり前!誰も知らない、とかじゃなくて、
この部分は分解組立できる構造になってません(笑)
なので、これで終わりにしても別にいいのだけど、3番、やってみよか・・・
何するのかな〜
っ?
えっ!、ちょっ、ちょっとGamくん、何するのっ!!
見たらわかるやんけ、炙ってピン引っこ抜くんじゃー
Gamくん、ちょっと失敗したんじゃないのっ?
ミキ、おまえが写すん遅いから熱加えすぎたやんけ・・・
この輪っかで止めちゃうんだっ
1.2mmのステンの止め輪がいいねんけど、どこにも売ってなかってん、しゃあないから2mmの鉄や、ちょっと曲げて使おう
どうにかいけるんじゃないのっ
なんか糸が引っかかりそうやなぁ、動きもガタガタやし
Gamくん、どんな感じかなっ
うーん、とりあえずは動いてる、でも、あんまりええ感じちゃうわ・・・
まぁ、炙りすぎるとロクな事がないのが一つ、やはり止め輪は1.2mmのステンレスがいいのがもう一つだね。技術的には、
考えてみれば当たり前の話しなのだが・・・