さて、それでは計画通りに1ピースブランクの2ピース化を進めよう。紹介編では出し惜しみしていたのだが、実際にどうするかと言うと、

真ん中でブッタ切り、カーボンソリッドを突っ込んで印籠継ぎにしてしまおう!

たいしたことないよね?めんどくさいのは摺り合わせくらいだろう。いや、その摺り合わせが難易度が高い?そんなのできるワケないやんけ!いや、それを何とかするのがファイナルダムンの存在意義、ただのライギョ系サイトじゃないから。

手始めに、長さを5フィートに詰めてやる必要がある。作業自体は2ピース化とは関係ないが、センターカット2ピースにするので先に長さを決めてあげないと・・・

切断予定長さ
ティップを5cm、バットは10cmほど切断するぞ

次は5フィートに短縮したブランクの中央で切断してあげよう。ここは金ノコなんかで切ってしまうとヒゲができてしまうのでやめておき、道具はちょっと考える必要がある。

ダイヤモンドヤスリ
あっ、ごめん、コレはティップの切断やった
ダイヤのヤスリで切ってる、ってコトで・・・

ダイヤモンドヤスリを使って切断してみた。切断工程の最後で引っかかりにくい、ってのが選択理由だけど、フツーのヤスリを使ってて折ってしまったことがあるから。で、うん、想定通り上手く切断できたね。

切断後
見事に2本にしてしまったぞ!

ブランクの切断が済んだら次は印籠部の加工だ。切断部にカーボンソリッドを突っ込んで印籠にするのだが、切断部内径の摺り合わせと、ソリッド外径の摺り合わせを実施する必要がある。外径はサンドペーパーで地道に作業してあげればいい。でも、内径はどうするの?4mmの穴にペーパーなんかで作業できんぞ!

てなワケでコイツの出番だ!

旋盤
オモチャでもいい、頼りになるからね
右から突き出てるのがリーマ、精密穴加工の工具だ

やはり登場、オモチャ旋盤だね。ブランクを掴んで回せばいい。一方の作業工具はリーマーを使うのだ。ドリルだと面粗度が低い、仕上げには向かないのでもっと精密加工のできるリーマーで通してあげるのだ。道具もちゃんと選択してあげよう。

注意点を一つ、ブランク切断面を見ればわかるのだが、外径と内径は同一中心上になく、芯が振れている状態なのだ。この状態でフツーに旋盤で掴んであげると穴のセンターがずれてしまうのでちゃんと加工できないことが想定される。ほな、どないするねん?

芯が出てない
見ての通り、上が肉厚薄いよね
内径3.7mmくらいかな?

四ツ爪チャックを使おう。フツーの三ツ爪チャックって、3コある爪が同期して動くのだが、四ツ爪チャックはそれぞれの爪が単体で動くので、調整次第では究極の芯出し調整が可能になる。理論上は振れがゼロにできるのだ。現実にはかなりの難易度が伴うけど・・・

四ツ爪チャック
爪が個別で動かせるのだ
でも、調整めっちゃめんどくさいぞ

とりあえず、穴基準で3/100mmくらいに合わせてあげた。この辺が限界だね。相手はカーボンだし。チャックの芯出しが完了すればリーマーを通してあげればいい。簡単だ。

・・・・・・

で、チャックから外したブランクを見てみたらこんな具合・・・

クラック
真ん中にスジ入ってるの見える?

ははは、チャックで締めすぎてクラック入ってやんの♪

というワケで、失敗その1だ。まぁ、この程度ならクラックの部分だけ切断すれば問題ないだろう、バット側だし・・・

機械が使えないのならティップ側は手作業だ。タップハンドルでリーマーを掴んで通してあげよう。機械じゃないからちょっと力仕事だけどね。

手加工
機械が使えないなら手で削れ!

バット側は追加でちょっと短縮しているから穴が大きくなってしまっている。なのでバット側は摺り合わせする必要はない。逆にソリッド外径を大きくしてあげないといけない。ティップ側は内径加工が済んだらソリッドを通してみて確認するのだが・・・

摺り合わせ確認
コレはティップ側だけど、ソリッドが微妙に大きくて嵌らないのだ・・・

ダメです、ちょっとソリッド外径が大きいようだね。なので、あとはサンドペーパーで地道に摺り合わせしてあげよう。

・・・・・・

うん、OKだね。摺り合わせが完了したらバット側に入るソリッド外径をちょっと大きくしてあげてからブランクに突っ込んで接着すればいい。径のカサ上げはスレッドでもいい?いや、今回はこんなのだ、

カーボンロービング
付け毛ちゃうからなぁ・・・

これは「カーボンロービング」と言って、要するに炭素繊維のヒモでいいだろう。コレをソリッドに巻いてちょっと外径を大きくしてあげて、瞬間接着剤で固めてから丸く削ってあげるのだ。また、このカーボンロービングはブランクの補強にも使用するぞ。ジョイント部に、ソリッドを突っ込んだ長さ+αの部分をコレで巻いて補強しよう。

ちょっとカサ上げ
付け毛巻いてみる
コレにアロンアルファでも染みこませて固めて削るのだ

ソリッドの加工が済めば、バット側に突っ込んで接着して放置プレイすればいい。今度は順調だね!

印籠継ぎ
白テープはソリッド自体の保護、黄色テープは接着剤がはみ出てもいいようにマスキング
ソリッド側の黄色テープはここまでティップ側が突っ込まれる、って目印兼用だ

さて、放置プレイが終わったら、ブランクにカーボンロービングを巻き付けて樹脂で固めるのだが、その前に、ちょっとベンディングテストしてみたくなる、ってのが人間心理だろう。では・・・

「おっ、ええ感じやん」

「摺り合わせもバッチリやね、振ってもガタつかんし、変な音もせんやんか、うーん、さすがやねー、もしかしてウチって天才!?」

「もうちょっと曲げてみたろ」

・・・・・・

バキッ!

・・・・・・

「うーん、いい音したやん♪」

語尾に音符を付けてる場合ではないのである。どうなったかと言うと、

破壊!
ぎゃはははは、ちゃんと補強してから負荷掛けろって

失敗その2は、バット側のブランクが裂けてしまいました。やはり、ジョイント部の補強は絶対に必要だ、って結論だね。それはいいのだが、2回も破損してしまっているので、この状態から更に切断、やり直しをするのはちょっと難しいと思われる。そしたら、ブランクどないしよ・・・

見事に墓穴を掘ってしまった管理人に、 果たして次回はあるのか!それとも、「橘花・蛇頭殺」はもうヤメた?(2007/7/30更新)

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