竿は完成したものの試験飛行においてサカナを掛ける前に破壊してしまったバンブーカムルチィ。作成開始からおよそ7ヶ月半が経過、その間、紆余曲折?それとも波瀾万丈?その他色々な表現があるかも知れないけど、まぁ、なかなか思い通りに行かなかったりするのだ。 ビルド するだけならともかくとして、完成したあかつきにはカムルチィをカバーからブチ抜く必要があるのだから 「超弩級のヘタレ」を自認する管理人のこと、竿を組むよりも難しそうな気がしてならないのも当然だよね。いろんなことが管理人の頭の中を渦巻いているけど、とにかく、破壊した部分を手直ししないことにはどうにもならないから、とっととやっちゃおう。
それではもう一度、破壊した状態から・・・
我ながらアホくさ・・・
この通り、見事に破壊してしまっている。これがサカナを掛けての破壊なら、まだ救いようがある?いや、どっちも一緒だろうね。この破壊したオス側フェルールの付け根部分だけど、今から考えると竹を削りすぎたのと、一段太くなった部分が短いように思える。図面上は長さが4mmしかないから。となれば、竹をあまり削らない、そしてもう少し長く竹を突っ込めるようにフェルールを再設計してあげよう。で、改めて管理人の下手くそな「お絵描き」を紹介する。
左が前回のオス側フェルールのお絵描き、右が今回のだ
メス側フェルールはそのまま使うから、はめあい部分の直径は前回と同様の10mmだが、一段太くなった部分の長さを確保するために全体的に長くしている。前回だと長さ4mmしかなかったのだが、今回は勘合長20mmを確保した。そして、折れてしまってティップセクションの長さが短くなってしまっているから、前回のようにはめあい部分の中にも削った竹を突っ込むのではなくて、6mmの穴を開けるだけで済ましておいた。もちろんムクだとよけいな重量増につながるから。ただ、はめあい部分の強度、と言った視点からは竹をちゃんと突っ込んでおいた方がいいだろうけど、折れているブランクを削るので短くなるからイヤだし、あと、ベリリウム銅をフェルール材に使っているのでこのような構造でも大丈夫だろう、と言うのもある。
形が決まればとにかく削ってしまうのだ。
いつもの作業だよね
で、完成したフェルールと前回の失敗作を並べてみると、
もちろん下が今回削ったのだ
まだ熱処理してないよ
これなら安定した勘合が期待できる?ちなみにフェルールの仕上げ、サンドペーパーによるオスメスの摺り合わせだけど、実のところ今回もやってない。また、めんどくさくなった、ってのが正直なところだろう。
そしてブランクはこのフェルールに合わせ、必要最小限のみ削って嵌るようにすればいい。
旋盤じゃないよ
基本的には六角のカドを落とし、できるだけ削り代を少なくしてみた。旋盤を使うと調子に乗ってしまいそうなのでヤスリだけで仕上げている。まぁ、こんなのでいいだろう。あとは接着してスレッド巻きすれば完成だ。なお、例の如く完成した画像は存在しない。いつものように撮影するのを忘ただけだし、その必要もないだろうから。
じゃぁ、これを持って行ってもう一度試験飛行、当初の目的通り「カバーブチ抜き」を目指そうではないか。果たしてその結果は・・・
2008年8月10日(日)は快晴。朝6時に起きて試験飛行に行こうと思ったのだが、目覚まし時計のアラームをONにするのを忘れていたようで、目が覚めたら7時を過ぎていた・・・。いつもは朝遅いのに、今回はなんで早起きするねん??それはこの時期だから渋滞に巻き込まれるのがイヤ、と言うのが大きいぞ。今回はいつもの知多半島じゃなくって三重県に足を伸ばすのだが、休日に名古屋から三重に向かうと東名阪自動車道の四日市近辺で慢性的な渋滞に遭遇して処置がないから。
結局、7時半前に部屋を出発した管理人、渋滞を気にしながらクルマを走らせる。お出かけ前に確認した、日本道路交通情報センターのWebサイトでは渋滞情報はなく、料金所の電光掲示板にも渋滞情報はなかったから、もしかしたらラッキー!なんて思いで運転するのだが、桑名を過ぎたあたりで、
やっぱり四日市まで渋滞してるやんけ、クソっ・・・
まぁ、目覚まし無しで7時に起きたこと自体が奇跡だと思えばちょっとはあきらめがつくだろう・・・
さて、今回の試験飛行第2弾のタックル、別に紹介する必要はないと思うけど、ついでだから。
変わったのはカエルくらいだね。タンクならクロークJrよりもちょっとは飛んでくれそうだし。
そんなこんなで現場着は9時頃なってしまっている。で、今回のカバーブチ抜きロケーションはこんな感じで、
前回の池よりもちょっとヒシが薄いね
特記事項も何もない、ありきたりのヒシ池だ。ただ、三重じゃなくってもうちょっと近くにあったらいいのになぁ、なんて思うけど、ライギョ釣りが盛ん?な名古屋のことだから、釣り人が多くてプレッシャーが掛かって仕方がない気がするけどね・・・
準備が終わって水面を眺める管理人、カエルを引いた形跡はなく、管理人が今日初めてのお客様、ってことになる。風は軽い向かい風だから条件的には若干良くないけど、プレッシャーが掛かっているより遙かにいいだろう。
前回のバンブーの感触を思い出しながら投げるが、やはりカーボンロッドでのキャスティングが体に染みついているから修正するまでにちょっと時間が掛かってしまう。
幾度か投げていると、
「ぽこっ」
かわいい捕食音がする、と同時に水面からタンクが消えている。
「うりゃっ」
しかし、虚しく空を切るバンブーカムルチィ、そして管理人のところまで空を飛んでタンクが戻ってくる・・・
だが、反応があるのならちょっと粘ればそのうちどうにかなるだろう、もしかして今日はいい感じなのかも、なんて期待を込めながらキャスティングを続ける。ヒシの密度は薄く、かつ、ポケットと呼ぶべき空間が少ないから手を抜かずに丹念に、そして最後までアクションをつけるのを忘れない。どこからでもカムルチィが出てくる可能性がある、ってことだね。
・・・・・・
そのうちちょっと変なことに気がついた。オス側フェルールに巻いているスレッドだけど、途中でひび割れが生じており、ちょっとだけどすきまが見えてきている。接着が外れてブランクが抜けてきた?でも、上から荷重をかけて突っ込もうとしてもすきまはなくならない。じゃぁ、ちゃんと固定されている?ちょっとわからないが、そのうち結果がはっきりするだろう・・・
・・・・・・
しばらくやっても反応がないのでちょっとずつ移動しながらヒシの上を探ってゆく。視線を岸から10メートルほどの位置まで戻ってきたカエルから、足元のヒシのエッジに移すと小魚が泳いでいるのが確認される。中には尾ビレが黒く見える黒いサカナもいて、それは恐らくバスだろう、そしたらさっきのかわいい捕食音はバスなんかなぁ・・・、なんて考えながら視線をタンクに戻すと、
「おい、カエル消えてるやんけ??」
捕食音は聞こえなかったような気がする。でも、実際にタンクの姿は見当たらず、密度の低いヒシだからカエルを沈ませて釣るのはさすがにやらない。じゃあ、やっぱりアタックしてきたのかな?そしたら悠長に構えてる暇なんかないぞ、合わせんと・・・
「ビシっ!」
「バキっ!」
うっ・・・
とにかくバットセクションには重みが伝わっているから、フッキングは成功したみたい。じゃあ、当初の予定通りカバーからブチ抜くのだ・・・
「おりゃっ!」
・・・・・・
手尺測定60センチに足らないくらい・・・
なんか、めっちゃ痩せ細ったカムルチィ。それはともかくとして、見ての通り、これでカバーブチ抜きは完了だけど、
ちょっと折れ方が怪しかったりする・・・
まぁ、何も言うまい。いくらヒシ池だからとはいえ、60センチ程度の、それもガリガリのカムルチィでこの状態だからアホくさ、って感じだね。
その後、気を取り直して予備の2ピースカムルチィで釣り続けた管理人、もうちょっとグラマーなカムルチィを捕獲して帰路についたのであった。
さて、それでは改めての気付点だ。
今回はフェルールの摺り合わせが収穫だね。旋盤仕上げだけでもOKなのが判明したから。それにしてもブランク折損の件は管理人が何か根本的誤謬を犯しているような気がしてならない。そして、2度目の折損だけど、この状態からオス側フェルールを取り付けしても、竿が短くなってしまうからちょっとやっかいだ。本気でやるならティップセクションを新調しろ、ってことだろう。
そして、一番の収穫だけど、
管理人でもカムルチィが釣れるヒシ池が見つかったぞ!
ってのを付け加えておく。ライギョ釣りに限らず、場所ってかなりのファクターを占めると思う。その気持ち、わかってもらえるよね?(2008/8/12更新)
さぁ、「最後の聖戦、バンブーカムルチィ改2!」だぞ!!(2008/9/6追加)