「イヤな時期やなぁ・・・」
「えっ、そうなのっ?暖かくなってきてっ、だんだん過ごしやすくなってくるのにっ・・・」
「そっちじゃない」
「・・・あっ」
「わかってくれた?」
「うんっ、花粉の時期なんだっ」
「そう、かなわんのやなぁ・・・」
「大変だねっ」
「ウチはまだひどくないからマシやけど、もっとひどいヒトはめっちゃ大変やと思う・・・」
「Gamくん、花粉症って、どうなるんだっけ?」
「どうなるって・・・」
「・・・」
「ヒトにもよるけど、ウチは鼻やな」
「だから、鼻がどうっ・・・」
「気色悪い、ちゅーか、かゆい」
「目は別に何ともないっ?」
「ウチは、でも、目ェかゆいとか言うヒトもおる・・・」
「ふ〜んっ・・・」
「それでやな、いつもやったら敏感とか鈍感の話しになるねんけど、本題入るわ」
「・・・今月のお題、だねっ」
「そしたらこれ、見てくれる?」
最近の新定番、らしい・・・
ふ〜んっ・・・
「コレはロッドビルドのスレッドっ・・・」
「正解やけど、いつものと違うぞ」
「え〜っと、いつものって、どんなのだっけ?」
「いつものはこれや」
こっちは大昔から定番中の定番
へ〜っ
「ぐ・・・、コレっ、なんて読むんだっけ?」
「『グデブロッド』やな、ウチも中学生の頃はさっきのミキと一緒でなんって読むかわからんかった」
「じゃぁ、ミキって中学生レベル、ってコトじゃんっ・・・」
「それ、自分で言うなって」
「まぁいいけど・・・、でねっ、いつものじゃないのは何かワケがあるんだっ?」
「『グデブロッド』のスレッドが手に入らん様になった、その代わりでこれが売ってるねんな」
「えっ、いつ頃からなのっ?」
「ウチが東京で冬眠してる間やわ」
「じゃぁ、かなり前のお話しだったんだねっ」
「ロッドビルドの世界ではウチの冬眠期間中に結構重大な事件が3件ほど発生してたんやぞ」
「あははっ、重大事件なんだっ、でも3件って・・・」
「あとの2件もまとめるとこんな具合・・・
結構影響あったと思うぞ、これ」
「そうだね〜っ、Gamくん的にはやっぱ、3番目かなっ?予想もしていたんだよねっ」
「俗な言い方やと『想定の範囲』って感じ、ちゅーか、廃盤になる前にMD-5500は仕入れたから、暫くはどーにかなると思う」
「今月のお題は1番目だけど、2番目ってどんな感じかなっ?」
「ウチはルーミスのブランクって滅多に手ェ出さんかったからほとんど影響ないわ」
「あっ、それよりセンクロだったよねっ?」
「そうや、ウチの場合はセンクロがブランク売りやめたら死亡確定、めっちゃ悩むことになる」
「じゃぁ、とりあえず、影響があったのって1番目だけ、ってコトなんだねっ」
「『グデブロッド』なぁ、これ、中学生の頃からの定番アイテム、ちゅーか『グデブロッド』以外やとおかんのミシン糸を拝借してたけどなぁ・・・」
「でねっ、今度のは『プロラップ』ってメーカーなんだっ?」
「いや、『プロラップ』は商品名でメーカーは『Amtak』やと思うけどな」
「『あむたっく』っ?」
「うん、『American Tackle Company』の略で、ロッドビルドの世界では長ったらしいから『Amtak』って短縮してる」
「へ〜っ」
「ちゅーか、誰も知らんのかなぁ・・・」
「そのっ、『あむたっく』ってコトっ?」
「これも欺瞞とハッタリ?」
「そういう言い方ってコトは、あんまり良くない、ってコトっ・・・」
「あのな、誤解を恐れずにコメントすると、ウチは昔から『Amtak』って安モン扱いしてた、せやからウチにすると『Amtak』の商品がこうやって日本で白昼堂々?と売られてる方が事件やったりするぞ」
「じゃぁ、今までは売られてなかった?」
「『Amtak』ってスレッドもそうやけどガイドとかリールシート、ブランクやらコーティングとかも取り扱ってるビルド系総合メーカーみたいなところがある、これは『Pacbay』もそうやけど、ただ、『Pacbay』は見掛けるけど、ウチは今まで釣具屋さんで『Amtak』の商品単体、ってのは見たことがない」
「単体じゃなかったらある、ってコトなんだっ?」
「廉価版の竿のガイドに『Amtak』を採用してるケースもある、まぁ、日本やとガイドとリールシート単体はフジの影響が大きいから・・・」
「フジが独占しちゃってるっ・・・」
「そんな感じ」
「欺瞞とハッタリ、って感じするねんな、・・・ただ、『Amtak』のスレッドは触ったことないし、現実世界で手軽に入手できるスレッドもこれだけになってしまったから、ひとまず仕入れてみた、ってのが正直なところやわ」
「それじゃぁGamくん、スレッドの良い悪い、ってどんな基準があるのっ?」
「ライギョ竿をビルドすることを想定すると、やっぱり直線強度と違うか?」
「切れちゃダメ、ってコトっ?」
「そう、ウチはヒトと違ってなんしかアホみたいにテンション掛けてガイドラップするから、『グデブロッド』並みの直線強度が確保できれば幸せになれる」
「じゃぁ、ほかの人って、そんなコトやんないっ?」
「ビルドショップとか釣具屋さんでガイドラップしてるのを見たことあるけど、ウチみたいにフルテンション巻きはしてないと思った」
「やっぱ、力の掛かるロッドだとガイドを巻くのも力を掛けた方が良い、みたいなっ・・・」
「そんなもん基本中の基本やんけ」
「・・・」
「軽く巻いた方が楽やし、フルテンション巻きすると絶対に大量生産できへんし、・・・ウチはロッドビルドするとフルテンション巻きでエネルギーを吸い取られてる気がするわ」
「あのねっ、市販のロッドって、やっぱ、軽く巻いてるんだっ」
「見たことないけど、ロッドラッパーとか機械巻きもあると思う」
「それって強く巻けるっ?」
「一定のテンションかけれるから強く巻こうと思えば巻けるはずやけど、ただ、さっきから言うてるけどフルテンション巻きは大量生産には向いてないし、見た目は軽く巻こうが強く巻こうが変わらへんやん」
「あっ、そういえばそうだねっ」
「逆にフルテンション巻きするとガイドのずれとかスレッドのすきま修正がやりにくい、その点は絶対に軽く巻いた方が簡単やん」
「うんっ」
「見た目と生産性を考慮すればそんなにテンション掛ける必要性もないのと違うかな」
「でもっ、Gamくんはそうじゃなくって、どんなにガイドがきちんと並んでてもっ、スレッドがすきま無く巻いてあっても、ってコトっ・・・」
「そう、前から言うてるけど、見た目なんかどうでもいい、ってことやね」
「でねっ、実際にその『プロラップ』ってどうなのかなっ?」
「見ての通りでフィルム剥がしてないやん、だからまだ試してない、ちなみにスレッドの強さって、昔からのナイロンスレッドの方がNCPスレッド、・・・『プロラップ』で言うと『Color Fast』よりも強いからな」
「へ〜っ」
「『グデブロッド』のWebサイトにスレッドの種類と太さ別で直線強度を表示してたねんけど、Webサイトごと無くなってしまったから・・・」
「じゃぁ、『プロラップ』にはそういうのって?」
「少なくとも『Amtak』公式Webサイトにはなかったなぁ、せやからドラグチェッカーで測定せんとわからん」
「それはやんないのかなっ、ドラグチェッカーもあるじゃん」
「『必殺パワー!スレッド編』か・・・」
「うんっ、そうそう」
「そしたら、プチ実験、やってみるか」
「何を準備するのかなっ」
「スレッドやんけ、あと、ドラグチェッカーは太PEと違うから5キロバージョンでいいし」
「Gamくん、NCPスレッドはやんないのっ?さっきはNCPの方が弱い、って言ってたじゃん」
「それもそうやな、そしたら・・・」
Gamくん、青いのが5キロまでなんだねっ
赤が15キロでもう1種類あるけど忘れた
「じゃぁ、あとはスレッドを引っ張って切っちゃえばいいんだねっ」
「うん・・・」
・・・・・・
「Gamくん、結果、出たけど、どう思うっ?」
「どれもたいして変わらん、ってことやな、そしたら『プロラップ』から・・・」
2.8キロくらいだねっ
6ポンドちょっとやわ
「じゃぁ、次っ、『グデブロッド』だねっ」
2.9キロだから、あんまり変わんないねっ
やるやんけ
「それじゃぁ最後、NCPスレッドだけど・・・」
Gamくん、コレも変わんないよっ
2.8キロやもんなぁ・・・
「これくらいやったら誤差の範囲やと思うぞ」
「NCPスレッドが弱い、ってコトもあんまり考えなくてもいいんだねっ」
「誰や、NCPが弱い、とか言うてたのって・・・」
「それはGamくんでしょっ、ちゃんとやってみなきゃホントのコトってわかんないんだからっ・・・」
「・・・ウチじゃない、『グデブロッド』に言うてくれ」
「でもっ、よかったねっ」
「なにが?」
「『プロラップ』が使えそう、ってコトだよっ」
「そうそう、あと言うとくけど、『プロラップ』って『グデブロッド』よりも色の種類が多いねん」
「へ〜っ、それはいいことじゃんっ」
「いや、ちょっと違うねんぁ・・・」
「どうしてっ、色々選べるんでしょっ」
「・・・ウチの場合はそれでアタマ悩ます原因が増える、ロッドビルドがますます手が出にくくなりそう」
「ぷぷぷっ、ただ、単純に面倒なだけじゃんっ、Gamくんの場合って」
「うっ・・・」
「サボっちゃダメだよっ、Gamくんっ♪」
(2012/03/31発行)