「ゴホッ・・・」
「・・・」
「ゲホッ、ガホッ・・・」
「・・・」
「ゴホッ、ゴホッ・・・」
「Gamくん?」
「なんや、ミキ・・・、ゲホッ!」
「風邪ひいたのっ?ちょっと前からすっごく咳が続いてるんだもんっ・・・」
「そうやねん、ここ3週間くらいこの調子、たぶんやけど風邪じゃないと思う・・・」
「お医者さん、行ってないんでしょっ?」
「ああ、そんなヒマないねん・・・、ゴホッ」
「でもねっ、ホントに風邪ひいちゃったのかって、それじゃぁわかんないじゃんっ、体温は測ったのっ?」
「この部屋に体温計なんか存在せんぞ・・・、ゲホッ、ゴホゴホッ、だいたいやな、あんな測定範囲の狭い温度計買う気せーへん、ウチはもっといい温度計買うぞ・・・、ゴホッ」
「またそんなコト・・・、そんなの別のお話だよっ」
「ほんなら『おでこ』でウチとミキの体温比較してみろや・・・、ゴホッ、ゴホッ・・・、ゲホッ、ゲホガホゴホッ・・・、くそー!めっちゃきつい、息できへんやんけ・・・」
「・・・わかったよっ、じゃぁ」
・・・・・・
「ミキ、顔を近づけたついでに、キスしよう」
「Gamくん、そんなコト言ってる場合じゃないでしょっ!」
「あかん、ミキに嫌われた・・・」
「そんなのじゃないよっ、でもっ・・・」
「ミキの顔面ツバだらけにしようと思ったのになぁ・・・、ゴホッ」
「もうっ、バカっ・・・」
・・・・・・
「う〜んっ、なんか、よくわかんないねっ」
「ちゅーことは平熱やと思うぞ」
「Gamくん、お医者さん行くヒマがないんだったらねっ、お薬とか買って飲んだ方がいいんじゃないのっ?」
「ああ、『咳止め薬』なぁ・・・、一応、クスリ屋で買ってきたんやけど・・・、ゴホッ、ゴホッ」
「エスエスブロン錠」って咳止め薬の「藤川球児」やねんぞ
何それっ?意味わかんないっ・・・
「あれっ?Gamくん、これって開けてないじゃん、まだ飲んでないんだっ・・・」
「うーん、ウチって普段からクスリ飲む習慣ないし、医者いらずの人やんか・・・、ゲホッ、せやからクスリってめっちゃ効きすぎるような気がして怖いんやなぁ・・・」
「うんっ、そう言われてみるとそんな感じ・・・」
「グホゴホッ、・・・それにしてもな、普段は会社で『たまには風邪ひいて会社休みたいぞー!』とか冗談言うてんねんけど、咳だけでめっちゃキツイもんなぁ・・・、やっぱり健康が一番やぞ、しょうもない冗談言うたらアカンわ」
「そうだよ〜っ、ミキはねっ、風邪ひきやすいからGamくんがすっごく羨ましいんだもんっ、そんなコト言っちゃダメだよっ」
「うーん、これだけ咳するとなぁ、部屋の横の溝のカムルチィ、咳しただけで逃げよるぞ、暖かくなってきたのに釣り行かれへんやんけ・・・、ガホッ、ゴホッ」
「やっぱ、お薬飲んで、早く寝た方がいいんじゃないのっ?」
「そうやなぁ・・・、ミキ、そしたら一緒に寝よか?いいやろ?」
「ちょっ、ちょっと〜っ、何言ってんのよ〜っ!変なコト言わないでよっ・・・」
「ウチが変なのは前からそう・・・、ゴホッ、ゴホゴホッ、前から変やんけ・・・」
「ぜんぜん意味が違うよっ、ホントに、もうっ・・・」
「まぁいい、独り寂しく寝ることにするけど、でもなぁ、これだけ咳き込みまくると・・・、ゲホッ、なんもする気にならんわ、普段が絶好調なだけに余計にそうやもん、ホンマは色々やりたいことあるのになぁ、腹立ってくるわ・・・」
「Gamくん・・・」
「ガホゲホッ・・・、どうした?」
「早く、治るといいねっ」
「そうやね、そしたら・・・、ゴホッ、今月の落としどころは『健康第一』って当たり前のコメントで終わりにするぞ・・・、ゲホグホガホッ、くそー!」
「・・・」
(2008年4月26日発行)