2回にわたってレグノセンサーの動作確認と電池パックの再生手順を紹介したが、今度は電池パックの充電器を攻めてみる。せっかく再生した充電式電池パックも何らかのカタチで充電しないと継続使用できないのは当たり前だよね。そして管理人のE-1は充電器は入手時点で充電器がない状態だったから、市販品の流用や自作品でまかなうことになる。管理人の手元にはラジコン用の強力な充電器が存在するから、手っ取り早く済ますならこれを使うのが簡単でいい。でもねぇ・・・
充電電流設定が100mA単位だからGP17AAAHが充電できないことはないが・・・
この手の充電器って本来は電池容量が3000mAh以上もあるラジコン用の高容量電池パックの充電が目的だから、今回のような電池容量が170mAhしかない電池パックだとオーバースペックなのだ。なので、今回は低容量電池パックの充電に最適化した充電器を自作することにしたんだよ。
ところで、電池の種類によって充電中の電流や電圧制御の方式が違っており、充電器を自作する場合はそれぞれの電池にあった制御方式を選択する必要がある。おおざっぱに言うと、
この2通りが存在する。で、今回のニッケル水素電池は定電流充電が正解だから、充電器を自作する場合は電池パックに用いたGP17AAAHに適した充電電流になるように電子部品を選択して回路を組む必要があるので、そのあたりをデータシートで確認してみると・・・
例によってデータシート、ファイナルダムンの基本やからなぁ・・・
5行目の赤で囲った「Charging Condition」が充電電流で、周辺温度20度の条件下において17mAの電流で16時間充電すればいい、とのことだ。一般的に充電池の場合は電池容量の1/10に相当する数字の電流を0.1C若しくは0.1Itと呼び、この0.1Cで充電するのがニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池を充電する際の標準条件らしい。であれば今回の場合、17mAの充電電流をキープできるような回路を組めばいいわけで、
定電流ダイオード(CRD)による定電流回路で充電しよう!
このCRDという素子は名前の通り一定の電流を流すことができるダイオードで、1Aや2Aといった大きい電流は流せないがミリアンペアレベルの電流を一定に流すのであれば便利な素子だと思う。ただ、素子自体にもばらつきがあるし、そもそも定格17mAというCRDは存在しないので近似した定格のCRDを採用することになるが、このあたりは例によって適当な管理人だから細かいことは気にしない。あと、市販の充電器みたく満充電を検出して充電を停止できるような構成じゃないので、それを望むならタイマ回路を追加する等の配慮が必要になるけど、今回はそんな面倒というか高級なことはせず、適当な時間でこれも適当な人間が充電を停止させることにした。得意の放置プレイ等によって充電時間が長くなってしまう過充電についてだけど、一応、データシートの8行目、充電電流17mAで最大1年は流し続けることができるらしいから、丸1日放置プレイすればいいんじゃないかなぁ。
CRD以外の電子部品といえばインジケータランプとして機能するLEDくらいのものだから、実のところ、文字を大きくしたりびっくりマークを付けるほどのモノじゃない、手っ取り早くて部品点数も少ないし、回路というのも本当におこがましい小学生レベルの電子工作なのだったりする・・・
適当なお絵かきで済まそう・・・
充電制御の説明が終わって次は実作業編、いつものように準備するもの・・・
18mA品のE-183もあるけど・・・
緑より赤の方がよかった?
昔のトランス式非安定化ACアダプタだから軽負荷時には17V近い電圧になる・・・
プラグが充電池側でジャックがACアダプタ側だ
切れっ端・・・
レモンミントじゃなくってもいいよね???
あと、電子工作にはハンダごてや電線、マルチメータといった基本的な工具や部材も必要だろうし、いきなり部品をハンダ付けするんじゃなくって、こんなので試してみる必要があると思う・・・
LEDドライバICによる定電流回路のつもり・・・
これはブレッドボードといって電子回路のテストに使う基板だね。基板一面に穴が開いていて、縦の列はそれぞれが内部で電気的に繋がっている。ここに素子や電線を差し込むことでハンダ付けせずに電子回路が組めるので試作用途には役に立つんだよ。
次からは実作業、これもいつものように画像で説明するよ。
回路図通りに部品をブレッドボードに突っ込む
拡大するとこんなの
この状態で通電してみると・・・
電流は15mAだから0.1Cの電流17mAより若干少ないね
でも、ブレッドボードで多少のロスはあるだろうし、測定誤差も・・・
フリスクの中身はいらんからなぁ
ジャックの部分は切ってあげるのと、ユニバーサル基板もフリスクに合わせる
世間にはフリスクケース専用ユニバーサル基板も存在するが・・・
回路図通りに部品をハンダ付けして、外に出すプラグの配線やLEDの部分もケースを切ってあげる
仮状態で通電させてみると点灯するから大丈夫だと思う
動作確認できたらユニバーサル基板等々ホットメルトで接着
フリスクケースはABS樹脂だからくっつくはず
フタをしたら動作確認で作業は終了
これで24時間充電すればいいだろう
いつものような特殊なことはしていないが、ひとまずこれで用が足せるのでいいだろう。特殊なことをしたいのならそれはそれでいろんな手段があると思う。例えばだけど、準備するもの画像の配線済みブレッドボードは乾電池2本でLEDを点灯させる定電流回路なので、これの出力電圧や電流の設定を変えてあげれば乾電池やエネループ2本で充電できる回路が組めるだろうし、ニッケル水素電池充電専用ICで回路を組めば急速充電仕様の充電器も作れると思う。
そしたら次はレグノセンサーの試験飛行編だね。シマノDCよりも遙か前、世界初の電子制御ベイトリールの真価はいかに!?(2015年9月13日更新)
おまけ
例によって適当な管理人、今回も適当な工作だから・・・
ほんま、適当やねんから・・・
フリスクケースにクラックが入ってます。よく見るとピントも合ってないし・・・