「ミキ、ちょっと休憩してええか・・・」

「Gamくん、大丈夫なのっ・・・」

「いや、自己嫌悪でちょっと気ィ狂いそうになったからなぁ・・・」

「う〜んっ、他の人にはわかんないんだけどっ、Gamくんって意外に繊細なところがあるんだよねっ」

「ウチが繊細かどうかは知らんけど、ちょっと気分転換しよう、ここはミキに任すわ」

「そうなんだっ、でもっ、何をしたらいいのかなっ?」

「いつも通りでかまへんぞ」

「それじゃぁ、雑談だねっ、そうそう、Gamくんって、昨日、会社に遅刻したんでしょっ♪」

「うっ、余計にへこましてどないするねん、気分転換にならんやないか・・・」

「あっ、ゴメンねっ・・・」

「・・・」

「怒った?」

「いや、ミキが謝る必要はない、気ィ使わせたウチが悪いねん、ほんなら話変えよか、あのな、『そのまんま東』って知事やねんなぁ、ウチは3月になるまで知らんかったぞ」

「え〜っ!それって本気で言ってるのっ、だって、選挙って1月の終わりだったよねっ、1ヶ月以上知らなかったってことじゃんっ!!」

「ああ、本気も本気、マジメの話しやぞ、ウチは前から言うてるけど世捨て人やからな、新聞取ってないし、この部屋ってどこにもテレビないやんか」

「そうだよね〜っ、でもねっ、ちょっとは世間のこと知ってた方がいいんじゃないのっ、会社勤めやってるんだし、そんな話しって会社で話題にならなかったのっ?」

「転勤してからはなぁ、ウチの先輩はメッチャ無口な人で、ウチと違ってホンマの『職人さん』って感じの人やから、そんな話題にならんし、事務所に人おらんからなぁ・・・」

「へ〜っ、そうなんだっ、でも、なんだか寂しそうだねっ」

「別にええねん、ヒマなときはネットで技術系資料漁ってたら文句言われることはない、ウチの部長が名古屋の事務所に来たときに、ちょうど『NSK』の英語の資料見てたときやったから、『おまえ何見てんねん?』、『いや、ベアリングの資料見てますねん』で済ましたったぞ、ホンマはファイナルダムンの資料集めやねんけどな(笑)」

「じゃぁ、ごまかせたんだねっ」

「ベアリング以外の成果やと、『フジのチタンガイド』な、あれは『神戸製鋼』が1枚噛んでるぞ、一応、組成まで判明しそうやから、そのうち『チタン合金編』に追加しよう」

「じゃぁねっ、資料集め以外だと、何をしてるのかなっ?」

「寝てる!」

「あ〜っ、そんなことしちゃってもいいのかなっ〜?!」

「いや、眠たいねん、遅刻するくらいやから眠たくもなるわ」

「お仕事って忙しいのっ?」

「いや、今は寝てるヒマがあるからそんなことはない、ただ、今さっきやけど、会社のケータイに電話があったやんか、あれな、明日9時にお客さんトコ行ってくれって営業さんからの電話やったぞ(笑)」

「そうだよねっ、お客さんにも電話してたもんねっ、でもっ、普段のGamくんとは言葉遣いが違うから、ミキ、ちょっとビックリしちゃったよっ」

「そら当たり前やわ、普段のファイナルダムンみたいな口の利き方してたらあかんわ」

「それでもねっ、お客さんと話すときも、言葉遣いは違うけど大阪弁なんだねっ(笑)」

「ええねん、ウチが大阪から来てるのはお客さんも知ってるわ、あとはなぁ、ファイナルダムンを英語にWeb翻訳して遊んでた」

「そんなこともできるんだ〜っ」

「『Google』ってあるやんか、あれの英語版でファイナルダムンって検索したらトップページがヒットするから、それで『Translate this page』ってヤツで翻訳したらこんな具合やな」

「あ〜っ!なんか、すごいねっ」

「一応、それらしいやろ、これ見てたら結構面白いんやで、まず『ウチ』って表現が『inside』ってなってる、そのままやんけ」

「ミキはどんなのかなっ?え〜っと・・・、[miki]ってそのままじゃん、でもねっ、この[ ]で括ってるのってどういう意味かなっ?」

「翻訳できへんかったってコトちゃうか?せやからミキの語尾は[tsu]が多いやんか、小さい『つ』はヤツらではムリみたいやな」

「そうなんだ〜っ、ファイナルダムンも[huainarudamun]だし、なんだかおかしいよねっ」

「ミキじゃなくて漢字の『瑞雪』を翻訳したら『瑞 snow』やぞ、おまえ、中途半端にしか翻訳できへんみたいやな、メッチャ笑えるわ」

「なんか、それってムカつくじゃんっ、それじゃぁ、『ミズキ』ってカタカナだとどうなるのかなっ?・・・、え〜っ、Gamくん、ちょっとわかんないよっ?」

「わからんか?正解は『dogwood』やな」

「へ〜っ、そうなんだっ、『dogwood』ってどんな意味なのかなっ?」

「ウチがイヌ嫌いなん知ってるやろ!半径5m以内は立ち入り禁止じゃ、この『dogwood』め!」

「そんな言い方って・・・」

「ぎゃはははは、ゴメンゴメン、『ハナミズキ』って意味らしいぞ、良かったな、イヌコロやったら完全にウチに嫌われてるぞ(笑)」

「相変わらず、ひどい言い方だもんねっ、でも、その『ぎゃはははは』が出たら、ちょっとは気分転換できたよねっ」

「そうやな、あと、メッチャ面白いのがなぁ、『ヒミツ姉ちゃん』の訳やねんけど、ちょっと見てみぃ・・・」

「え〜っとねっ、・・・・・・、え〜っ!ミキ、こんなの言えないよっ・・・」

「そうやろ、ウチもこれ言うたら殺されるからやめとこ、しかしなぁ、ヤツら大阪弁の微妙な表現がわからんみたいやなぁ」

「そんなのムリだよっ」

「当たり前か、あとは『弩素人』って訳が『弩 amateur』やねんけど、『素人』は『amateur』でいいけど、『弩』が理解できへんみたいやね」

「それって普通はカタカナの『ド』じゃないのっ?」

「ウチが漢字で『弩』を使うのは、深い意味があるんやでー!カタカナやけど『ドアホ』とか『ド』がついたら『メッチャ』とかって意味やんか」

「そうだよね〜っ」

「最近は使わんけど『ド級』とか『超ド級』とかって表現あるやん、『圧倒的に上回ってて比較の対象がない』とかって意味合いやけど、元々これは海軍用語やねん」

「えっ、そうなんだっ・・・」

「日露戦争が終わった頃かな?イギリスで『ドレッドノート』って戦艦が建造されたんやけど、『ドレッドノート』って今までの戦艦を一瞬にして旧式化させるような革新的な戦艦やったんやわ、で、日本を含めた他の国も『ドレッドノート』に対抗できる戦艦を建造したんやけど、その『ドレッドノート』以降に建造された戦艦を『ド級戦艦』、さらに『ド級戦艦』を超えるような強力な戦艦は『超ド級戦艦』って表現したねん、もちろん『ド級戦艦』の『ド』は『ドレッドノート』の『ド』やね」

「でもねっ、なんでGamくんは漢字の『弩』なのっ、今の説明だと、カタカナで正解じゃんっ」

「それがな、もちろん漢字の『弩』は当て字やねん、ただ、帝国海軍は『エリコン式機銃』を『恵式』とか『ルイス式機銃』は『留式』とかって当て字で表現するのが好きみたいやったから、それでウチも当て字の漢字を使うねん」

「それじゃぁ、Gamくん的にはすごく意味があるんだねっ」

「その通り!」

「はははっ、なんか、すっごく嬉しそうだねっ(笑)」

「ぎゃはははは、めっちゃ幸せや、ほなら、気分転換もできたし、最後やからもう一踏ん張りしような、ミキ、おおきに!」

「ううんっ、今みたいに、笑ってるGamくんの方が絶対にいいんだもんっ♪」

(2007/3/15更新)

一応、予告編にもどるけどっ、本当は閉じてねっ