ロッドネームの作成ではマイクロドライプリンタ(以下MDプリンタ)でプラモデル用のデカール用紙にプリントしていた管理人、ファイナルダムンでもそれについては若干ではあるが紹介している。で、今回はMDプリンタではなくインクジェットプリンタでのロッドネーム作成を検証することにした。この件についても本編で触れたことがあるけど、

MDプリンタは今後の発展が望めん・・・

家庭用プリンタの主流として各メーカーで開発競争が繰り広げられているインクジェットプリンタと違い、MDプリンタはアルプス電気だけが製造しており、そして今は1999年に発売されたMD-5500だけがインターネットのみで販売を受け付けている。街のパソコンショップや電気屋さんで売ってるのはインクジェットプリンタばかり、MDプリンタなんて見かけることはないよね。10年近く前に開発も停止されたまま、そしてインク等のサプライ用品やオプション関連も一部だけど販売打ち切り状態になり、残念だけどアルプス電気がいつまでMDプリンタを商売として続けていくのか全く読めないのが今の状況だね。

そして、現在管理人が使っているMDプリンタは旧式のMD-1000で、これは1997年に発売だから既に10年を超えており、修理対応も2007年の3月で打ち切られているから何処かが壊れたらもうダメで、非常に厄介な状況でもある。ハードウェアについては故障すればMD-5500に更新すればいいし、対応OSも管理人が勝手に32ビットOS64ビットOSの両方に対応させているから、WinNT6.0系のOSならばどうにかなる、との読みがある。でも、これがMD-5500だったとしてもメーカーの新規サポートがないに等しい状況、先細りなのは見え見えだから、現状としては「今暫くはとりあえず使える、だけどこれから先はいつまで使えるのかわからない」、わかりやすく言うとそんな感じだろう。こうなるといつまでもMDプリンタに頼ってばかりいられない、今のうちに代替手段を検討する必要性をちょっと感じたのだ。

そこでインクジェットプリンタが登場する。先のことはわからないけど、少なくともMDプリンタよりは将来性、発展性が望めるよね。そして肝心なプラモデル用のデカール用紙もインクジェット対応を謳ったのが存在するし。そしたら大丈夫やん?、いや、残念だけどそうじゃない。インクジェットプリンタはMDプリンタに比べるとこの用途には不向きだからこれまでずっとMDプリンタが主流だったワケで、

  1. インクジェットプリンタは下地を隠蔽できないから色が透過してしまう
  2. インクジェットプリンタは紫外線に弱いから褪色してしまう
  3. インクジェットプリンタは水に弱いからコーティングの際に流れ出してしまう
  4. インクジェットプリンタは金色や銀色、白といった特色が存在しない

今思いつくだけでもこんな具合だ。でも、無い物ねだりしても仕方がないよね。文句を言うばかりで何もしないよりも、手元にあるリソースで最大限の結果を生み出そうとする行為の方がよっぽど現実的だし、技術の進歩、ってヤツに期待しようではないか、そう思うのだ。

あと、今回はレイアウトに使うソフトウェアもちょっと考えてみた。ファイナルダムンではアドビシステムズのイラストレータというドローソフトが登場するけど、本来は仕事で使うべきソフトで、お金を出して買うなんてホームユースでは非現実的、バージョンアップも頻繁に行うから腹が立って仕方がない。なので、不正使用したくなる気持ちもわかるというものだろう(あっ、そうそう、最近のアドビってアクチベーションしないと体験版扱いで30日しか使えないからね)。業界標準(何の?)だけのことはあって使いやすいし信頼性もあるのだけど、今回はフリーで使えるドローソフトで何とかやってみる。いつもの繰り返しになるけど、

誰にでも出来るぞ!

ってのも管理人は重要視しているのだ。決して独りよがりの自己満足なんかじゃない、これだけは理解してもらいたい。今回は一家に一台?のインクジェットプリンタとフリーウェアだもんね。そんなワケで今回の「インクジェットプリンタでロッドネームを印刷しちゃえ?」作戦、うまいこといくんかなぁ・・・


では、例によって準備するものだね。まずはハードウェアから、

HP6310
FAXがほしかったから複合機、決してインクジェットがほしかったワケじゃない・・・

お次はソフトウェアだけど、

最後は備品の類なんかを・・・

ミラクルデカール
実売で1000円しなかったと思う

ベーススプレー
こんなんも、いるねん・・・

トップコート
模型屋さんで買ったけど

UVカットフィルム
これ、使えるのん?

カーボンパイプ
パイプやら端切れのブランクだね

それではコメントだ。ハードウェアはどうでもいいだろう。管理人の部屋にある、ってことでいい。ただ、HPのインクジェットプリンタは今のキヤノンみたいに黒インクのみが顔料系インクで、これがエプソンのプリンタだと4色とも染料系インクだからそこが違うくらいか。顔料系の黒インクはモノクロテキストの場合だと普通紙でも滲みにくいからMDプリンタ併用の管理人は紙も共通できて重宝しているのだけど、これがデカール用途になると「浸透しにくいイコール乾きにくい」ことが想定される。お店で売っているインクジェット用シールなんかは染料系インク専用だから。でも、顔料系インクの方が耐水性や耐候性では優位点があるみたいだし、さっき挙げたインクジェット2強、エプ&キャノにも全色顔料系のインクジェットがあるし、うーん、正直言って管理人はインクジェットには興味がなかった、基本的にはMDプリンタ使いのヒトだからラインナップのどれが染料系か顔料系なのかはよくわからん・・・

ソフトウェアについて。まずはOSだけど、これは2009年1月の現在で最も一般的なOS、ってことで32ビット版XPの採用だ。そう思うとVistaってなかなか普及しないみたいだね。既に次期OSのWindows7とWindowsServer2008R2のベータ版が配布されてるし。ちなみに管理人がXPを本格運用したのは2008年の5月にThinkPadを買い換えてからだから、あまり詳しくない、よく知らないOSでもある。それでいいのか?

そして今回の目玉商品その1がInkScapeなるフリーウェアだ。同じアドビシステムズのソフトでもフォトショップ代替のフリーウェアはそれなりに存在するみたいだけど、イラストレータになると本当に限られてくる。需要がないからだと思う。それはいいけど、当初はA-Oneやコクヨといったラベルメーカーが無料で配布しているレイアウトソフトを使おうとしたが、そのメーカーさんのラベルにプリントする場合しか使っちゃダメ、それ以外の用途はライセンスに抵触するらしい。InkScapeでないとダメなのではなくてライセンスの問題なのだ。インターネットでホームページを開設している立場から言えばこんな具合で合法手段に拘る必要があるのだけど、その辺の判断は諸君にお任せするね。

もう一つ、目玉商品その2はインクジェット対応デカール用紙のミラクルデカール。これがあるから今回の検証が実施できたと言って過言ではないだろう。で、先に挙げているインクジェットがデカールには不向き、ってことだけど、1番目の隠蔽できない件は現時点だとプリンタ側ではどうやっても対応不可能なのだ。だけど、ミラクルデカールには透明と白色の2種類が存在するから白色を使えば下地の隠蔽は可能になるだろう。でも、

それやったら文字を切り抜く必要があるやんね・・・

そう、下地は隠蔽できてもその周りに白い領域が残ってしまうのだ。なので、

文字の周辺領域はブランクに似た色を印刷して誤魔化そう!

まぁ、これくらいしか思い浮かばない。そう思うとやはりMDプリンタの使い勝手の良さ、白の印字が可能だから文字の領域だけ下地が隠蔽できる、ってのがどれだけ都合がいいかを痛感してしまう。それ以外にもスプレー処理が必要だとか色々と手間がかかって仕方がなさそうだし、「めんどくさい」が口癖の管理人は考えれば考えるほどヤル気が失せてくるのであった・・・

「めんどくさい」とか「ヤル気」とか言い出してるくらいだからなんだか例によって放置プレイになりそうだけど、それでは次回の実作業編、インクジェットプリンタはどこまで進化したのか?ロッドビルダーの諸君はちょっとだけ、待っててほしい。(2009/1/14更新)

まずは「InkScape」操作編だね(2009/1/26追加)

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